ツールのスリム化案件


どうもこんにちは、証券システム開発二課に所属しているものです。

現在は証券会社でシステム関連の取りまとめ部署で働いています。主な仕事内容はユーザからのシステム化依頼を受けて様々なベンダーとの橋渡しを行っています。今の部署に着任し3年目ですが、周りは10年選手ばかりなのでまだまだ若輩です。

趣味としては自転車が大好きで、週末にはサイクリングを楽しんでいます。また、家族との時間も大切にし、日常生活を充実させるよう心がけています。仕事とプライベートのバランスを取りつつ、新しいチャレンジにも積極的に取り組んでいます。

自己紹介はこのくらいにしておいて、今回は初めて自分主導で行った、ツールのスリム化案件について書いてみたいと思います。

 

 

対象のツールについて

これは8年くらい前に作られたツールで、契約締結前書面の郵送発送対象顧客を抽出するためのツールです。

契約締結前書面とは金融商品取引法で定められている金融商品取引業者等が金融商品取引契約を締結する前に交付しなければならないもので、さらに取引の有無に関わらず、1年に1回交付する必要があります。

郵送する対象の顧客を抽出するだけではなく、顧客の属性(個人or法人、契約の種類etc.)ファイルを取り込み、契約締結前書面と一緒に郵送する郵送物のパターンごとに顧客情報ファイルを分割します。

 

問題発生!

2020年4月より契約締結前書面がWeb画面「リスク・手数料等説明ページ」を通じた提供が可能となったことに伴い、契約締結前交付書面の郵送対象顧客を抽出する必要がなくなり、本ツールはお役御免となりました。

ところが、契約締結前書面と一緒に郵送する物の中には、Web画面を通じた提供を行えないものがあり、しかもこのツールから出力されたファイルを別ツールでさらに処理する必要があったため急遽ツールを動かすことになりました。

抽出したいのは数百件程度の情報ですが、元となるデータが数百万件あり抽出とパターン分け処理があるため、処理に2時間もかかり、そのあとに使う別ツールも作業にひと手間かかるものであったため結果として丸一日作業となってしまいました。

 

スリム化に向けて

その結果、担当したユーザ部署より、書面の重要性と今後発生する引継ぎにを考えると早急にツールを使いやすくしてほしいと要望がありました。

使用したツールについて確認していくと、いずれのツールも2021年に廃棄予定であったため、引継ぎが行われておらず、設計書やユーザマニュアルを確保するところから始めました。

手に入れたマニュアルを実際に自分で一通りの作業を行ってみると、Aツールで出力したファイルを、Bツールで取り込み、Bツール内で前年度の郵送データと突合し郵送対象を絞り込みファイルを出力。

Bツールで出力したファイルをさらにCツールで取り込み、再度パターン分けを行うという、想像以上に複雑な手順となっていました。

幸いにも開発者がまだ在籍していたので、どのようにすれば手順の簡略化ができるかを一緒に検討し、処理フローを作成すると、ABCの3ツールを一つのツールにまとめることができそうであると考えました。

 

改修したポイント

まず、手作業で使用していたファイルの取り込みを、データベースから直接行えるようにすることで、事前準備が軽減できることが確認できました。(それまでは、作業日の前営業日にバッチ実効指示が必要で、これを忘れたり指示内容を間違えると、その日はあきらめるハメに。。。)

次にAツールあった手動でパターン毎の顧客仕分けを行う機能について、全社向けだったころの過剰な検索機能を削除し、コストを削減。

Cツール実行後にさらに手作業で別ファイルと突合していた作業についても、新規作成するツールで行えるようにすることで、ファイルの入出力作業を減らす。

これらを郵送対象顧客を抽出する部署のユーザに説明したところ、特に違和感はなく受け入れていただき、さらにユーザ側でも検証したところ、Bツールの前年度の郵送データの突合も今回の郵送データ作成の際には不要であるとご助言をいただき、ユーザも製造側も無理な要望なく、理想的な形でツールの作成を行うこととなりました。

 

1日作業がたったの2時間に!

こうして完成した新ツールでは、データベースから直接データを抽出するようにし、ツール間のファイルの入出力が不要になり、ユーザはツールのボタンを押下するだけですべての作業が完了し、出力したファイルの内容を確認するだけになりました。

これにより、1日作業だったものが合計2時間程度で終了するようになり、ユーザからもお褒めの言葉をいただけました。

 

最後に・・

これで今回の記事は終わりです。開発者にとって褒められるという事は最高の励みであり、もっと良いものを作っていこうという気持ちになるという事を改めて感じた次第です。最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。次回の更新がいつになるかは分かりませんが、感謝の気持ちを胸に、またお会いしましょう。