みなさんこんにちは。
リライフ・ジャパン エンタープライズ・ソリューション本部の藁科です。
今回は、弊社として初めて導入に取り組んだRPAについてご紹介させて頂きます。
- 1.RPAとは
- 2.お客様先への提案
- 3.自動化に向いている業務とは
- 4.いざ開発
- 5.お客様へのプレゼン
- 6.ついに導入・運用へ
- 7.開発の難しさ
- 8.お客様先でRPAを広げる
- 9.RPAを導入してみて
1.RPAとは
『Robotic Process Automation』の略語で、アプリケーション操作やシステム画面を識別し、人間と同じように作業ができる「ソフトウェアロボット」のことです。
人間がパソコンで日常的に行っている操作(マウス・キーボード)を記録し、それを実行することが出来ます。
一般的に言われているのが、システムへのデータ入力やデータの収集、チェックなど、定型業務に適しており、特に「反復が多い作業」「データ量が多いもの」「工数や利用するソフトウェアが多い作業」に力を発揮します。
これにより、作業時間の短縮や、人的ミスが削減され、生産性の向上が期待できます。
2.お客様先への提案
まず初めに行ったことは『RPAと言う技術があり、こんなことができ、こんなメリットがあります。導入を検討してみませんか。』とRPAに興味を持ってもらう所から始まりました。
ちょうどその頃、世間でもRPAが話題にもなっており、『どういった感じか実際に見てみたい』とのお答えを頂くことが出来ました。
しかし、弊社にRPAの開発に関する知識は全くない状況でした。
そこで、RPAを作るにはいくつかのソフトウェアがありますが、その中でも無償版がありかつ、公開されている情報量も多いUiPath社のソフトウェアを利用することにしました。
UiPathにはアカデミーという誰でも無償で学ぶことが出来るサイトがあり、そこでUiPathに関する知識を学びました。
3.自動化に向いている業務とは
自動化する業務の選定において、お客様が目で見て実感できる様な業務、かつ、誰が見てもやっていることがわかる様な業務を選定しました。
そこで、「携帯電話の電話番号をWebサイトに入力し、データ通信量を取得し、Excelに転記する。これを60台分(60回)実施する。」業務を選定することにしました。
WebブラウザとExcelの複数のアプリケーションを使うこと、また定型的な作業であることが選定の理由になりました。
4.いざ開発
ロボットを作成するにあたり、デモ版でもあるため、お客様が目で見てわかる様なロボットの作成を心がけました。
作り方によってはバックグラウンドで実行したりすることが出来るのですが、それでは実際に手でやっていたことが自動化されている感が見えないため、実際に実施している手順そのままをRPA化することにしました。
1)通信量を取得するWebサイトにアクセスしログインする。
2)毎月のデータ通信量を管理しているExcelファイルを開く。
3)開いたExcelファイルから一つ目の電話番号をコピーする。
4)Webサイトに戻りコピーした電話番号を貼り付け、検索ボタンを押下し通信量を表示させる。
5)表示された通信量をコピーし、Excelに戻りコピーした通信量を貼り付ける。
6)開いているExcelファイルから管理している電話番号分3)~5)を繰り返す。
7)Excelを保存して閉じる。
8)WebサイトからログアウトしてWebサイトを閉じる。
作ってみたロボットを実際に動かしてみると、手作業で行っている動きをそのまま自動化することが出来ました。
5.お客様へのプレゼン
早速、作成したロボットをお客様に披露してみました。
右も左もわからない状態から初めて開発を行い、何とか動くものを作ることが出来たため、うまく動いてくれるか内心ドキドキでした。
無事、うまく動かすことができ、実際に行っていたことを同じ手順で自動化したことで、
- これはすごい
- やっていることが目に見えて、自動化と言うものがどういうものか見ることが出来た
- 人がやるより時間も短縮されかつ正確性もある
などのお言葉を頂くことが出来ました。
結果、RPAの導入を進めて行くことになりました。
6.ついに導入・運用へ
UiPathの導入にあたり、まずUiPath認定リセラーのU社様と「UiPath RPA プラットフォーム 販売代理店(サブリセラー)契約」を締結し、弊社から販売が行える体制を築きました。
そこから、お客様先にUiPathをインストールし、RPAが利用できる環境を作りました。
もちろん、色々なライセンス形態があり、お客様に合った提案を進めて行きました。
実際に導入したものの、どのように開発を進めて行くかは真っ白な状態でした。(どのようなフローでどのような資料を残し、どのような運用をしていくのかなど。)
お客様先は開発会社ではないため、そのような環境はもちろんありません。
実際に今まで私たちが経験してきたフローを参考にフローを考え、設計書についても、どのようなレベルのものだったら作成してもらうことが出来るか、作成することが出来るかをお客様と打ち合わせを繰り返しながら形を作っていきました。
7.開発の難しさ
RPAはよく「プログラミングが不要」と聞きます。
お客様先でもそのようなイメージがあり、パイロット開発として、開発者にはITとは全く無縁な部署が開発を行い、そのサポートとして入って欲しいと言うことで開発を進めて行きました。
しかしながら、、この業界の方ならお分かりかと思いますが、PRAもプログラミングによって動いています。視覚的にプログラムを組めるだけであり、プログラムの知識が無ければ相当苦戦します。
案の定、変数って何ですか?こういう処理をしたいのですがどうしたらいいですか?と言う所から始まりました。
都度、考え方や作り方を説明し、3か月かけて何とか1つ作りあげることが出来ました。
開発後、実際に開発を行ってもらった部署に意見を収集してみたところ、「サポートがありなんとか作成することが出来たが、サポートがないと作ることはできなかった。」との意見を頂きました。
これを受けて、各部で開発を行ってもらうことは断念し、担当部署で開発を行うフローとなりました。
8.お客様先でRPAを広げる
デモ版(プレゼン用)で作ったロボットと実際に他部署で開発してもらったロボットの実際の動きを披露し、導入による効果をお客様先の多部署へプレゼンを行いました。
そこで是非使ってみたいという多くの意見を頂き、現在までに20業務程の自動化を行っています。
業務を単純に自動化するだけでなく、「自動化するためにこういった情報が必要なので今の業務をこのように変更して頂くことは可能ですか」「ここは手作業でここを自動化はどうですか」など、既存の業務から自動化に向いた業務へ手順の変更を依頼しながら自動化を行っています。
9.RPAを導入してみて
今回、RPAの導入を提案から行ってきました。RPAの導入経験がなく、トライ&エラーの様な形で進め、実際に導入・運用に至るまでおおよそ1年の年月がかかってしまいました。しかしながらお客様先で高評価を頂くことが出来ました。結果としては成功だったと思います。
RPAは名前を聞いたことがあった程度の知識でしたが、実際に触れてみて、出来ることできないこと、また向いていること向いていないことなどRPAの特性を知る事ができました。また、導入・開発も行うことができ、自分自身新たな知識を増やすことも出来ました。
これから先RPAはどんどん広がっていくと思います。弊社としてRPAに携わる様な機会が訪れた際には、今回得た知識・経験を少しでも役に立てたらと思います。また、本記事を読んで頂いた皆さんにも、少しでもRPAについて興味を持っていただけたら幸いです。