BtoBマーケティングの施策と手法一覧

前回はBtoBマーケティングについての基礎知識からなぜBtoBマーケティングが注目されるようになったか、そして成功に導くための具体的な成功ポイントまでご説明いたしました。

 

前回の記事はこちら👇

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前回の記事でご説明した通り、BtoBのビジネスは、デバイスの普及・インターネットの普及・コロナ禍などの影響を大きく受けており、従来型の「営業担当者の訪問」という形で商品やサービスを売るスタイルが難しくなっています。

 

そこで今回は、BtoBマーケティングは具体的に何を行うのかをご説明いたします。

 

1.BtoBマーケティングは何をするのか?

一般的に、BtoBマーケティングは下記のサイクルで施策を行います。一番上にある「見込み顧客の創出」フェーズを始まりとして顧客と関わり商談を行い、受注後は顧客維持のためのフォローアップまで行います。

それぞれのフェーズの内容について詳しくご説明していきます。

見込み顧客の創出(リードジェネレーション)

まずは、多くの企業に商品やサービスを知ってもらい自社の認知度を高めるために、Webサイトの訪問者やセミナーの参加者を集客し、メールマガジンなどを送るための必要な情報を得ます。

見込み顧客へ転換

集客で自社を認知したユーザーに展示会、セミナー、電話営業、Webサイト活用など興味を持ってもらえるような施策を行い、顧客になる可能性が高い見込み顧客を獲得します。

 

見込み顧客へのアプローチをどれだけ効率よく行えるかが重要なポイントとなります。

見込み顧客の育成(リードナーチャリング)

獲得した見込み顧客にさらなる情報を提供することで、商品やサービスに関する興味・関心を段階的に高め、購買意欲を醸成します。中長期的な視点で接点を構築し、信頼関係を作り上げていきます。

 

見込み顧客が解決したい課題を調査し、その解決策の提案なども行います。

BtoB企業は購買プロセス・検討プロセスが長いため、中長期的なリードナーチャリングは重要性・必要性が非常に高いポイントとなってきます。

見込み顧客の絞り込み

見込み顧客のさまざまな行動をもとに購買意欲の高さをスコアリングし、スコアが高い見込み顧客を抽出・選定し、営業や商談の提案対象を選定します。

営業・商談

営業・商談フェーズに到達したあとは見込み顧客への直接アプローチが必要です。具体的な施策としては、フィールドセールスが挙げられます。

 

ここまでに培ってきた顧客との関係やニーズ・課題などの顧客情報を活用して営業部がクロージングを行い成約に結びつけます。

受注

案件・商談化した見込み顧客に対して見積りなどを行い、実際に受注を獲得します。この段階で見込み顧客が新規顧客になります。

顧客維持(顧客のサポート)

新規顧客獲得後も顧客維持をし続けるためにフォローアップを行う必要があります。新規顧客を維持することで優良顧客につながります。

 

顧客の流出防止のための施策を展開し、購入回数の増加(新規案件の獲得)、購入点数の増加など既存顧客からの売上を最大化することが目的です。

顧客満足度調査(顧客のファン化)

既存顧客に対して、自社の製品やサービスの満足度を調査し、自社製品が持つ課題を明確にします。お客様の課題解決のスピードを上げることで質の高いサービス体験を提供し満足度向上を実現します。

 2.BtoBマーケティングの主な手法

BtoBマーケティングには各フェーズに応じて行うべき様々な手法があります。

先述したサイクルに沿ってご説明します。

「見込み顧客の創出」フェーズ

まずは、多くの企業に商品やサービスを知ってもらい、自社の認知度を高めるために集客を行います。

 

・Webページやランディングページを作成

自社のWEBサイトを活用して問い合わせ・資料請求といったCVを獲得し、リード獲得につなげる。

 

・SEO対策

検索エンジンへの対策を行い、自社のWEBサイトのアクセス数を増やす。

 

・WEB広告

デジタルメディアや検索エンジンに広告を出し自社のWEBサイトのアクセス数を増やす。

「見込み顧客の転換」フェーズ

上記のフェーズを通してサイトに訪問した見込み顧客にアプローチを行います。

 

・問い合わせフォーム作成

「資料請求」「イベントへの申し込み」「お問い合わせ」といったフォームを作成し、HPやランディングページに設置。

潜在顧客にフォームから情報を入力してもらうことで、見込み顧客の創出へとつながります。

 

・チャットボット

一定時間Webサイトに滞在している見込み顧客に対して、画面端にチャットの小さなウインドウを表示し、いくつかの質問への回答を自動で返す、チャットを通じた自動応対機能。

 

・オンラインセミナー

オンラインで見込み顧客が興味を持つようなセミナーを実施し、見込み顧客を獲得する。

「見込み顧客の育成」フェーズ

・Eメールマーケティング

イベント案内メール(セミナーや展示会など)、新製品案内メール、事例紹介メールなど、様々なメールを自社の持つ見込み顧客リストに対して配信する。

 

・WEBサイトコンテンツ

自社のWEBサイトにリードにとって有益なコンテンツ(コラム、動画、課題解決、事例など)を掲載し、繰り返しWebサイトに訪問する状況を作る。

 

・郵送物・印刷物

チラシ、DM、ニュースレターなどを郵送やFAXで送付する。

 

・イベント(セミナー・展示会など)

見込み顧客を自社セミナーや展示会に案内し、そこで商品説明や事例紹介などを行う。

「見込み顧客の絞り込み」フェーズ

・リードスコアリング

見込み顧客の行動や反応のデータをもとに、商品やサービスに対する見込み顧客の興味・関心をMAツールで数値化(スコアリング)し、スコアによってマーケティング施策を変える。

 

・レポート作成、分析機能

見込み顧客のデータをレポートとして抽出し、分析して施策の改善などに活用する。

「営業・商談」「受注」フェーズ

・イベント

セミナー、個別相談会、製品デモなどを実施し、商談、案件を作り出す。

 

・ソリューション提案

見込み顧客の課題を把握した後、その課題解決策を提案することで商談、案件を作り出す。

「顧客維持」フェーズ

・メルマガ

既存顧客に購入した製品やサービスの活用方法や他社の活用事例をメルマガで配信し顧客を維持する。

 

・定期訪問、課題調査

既存顧客に定期的に訪問・電話連絡し製品の活用支援を行ったり、製品活用に関して新しい課題がないかを確認し解決策を提案する。

 

・レコメンド

既存顧客の課題や購入した製品に合わせて別製品を提案する

「顧客満足度調査」フェーズ

・アンケート調査

アンケートメールを配信し、既存顧客に回答してもらうことでニーズや満足度を把握する。

3.おすすめのツール

これらの過程で使用するべきおすすめのツールをご紹介いたします。

CRM(顧客関係管理)

顧客との良好な関係を構築・維持するために、顧客の氏名・年齢・性別などの基本情報や、購入日や購買金額などの購買履歴情報、購買実績を商品別に管理する購入商品の情報を管理するツール。

CMS(コンテンツマネジメントシステム)

自社のWEBサイトのコンテンツを管理するツール。

Webサイトのコンテンツを構成するテキストや画像、デザイン・レイアウト情報(テンプレート)などを一元的に保存・管理できる。

競合サイト分析ツール

競合サイトがどのようなSEO対策をおこなっているのかを分析するツール。

アクセス分析ツール

自社サイトのアクセス数、PV数、ユーザー動線などを分析するツール。

MAツール(マーケティングオートメーション)

顧客の属性情報(名前、会社名、メールアドレス、役職など)を一元管理できるだけでなく、見込み顧客の行動を記録し、マーケティング活動することができるツール。

見込み顧客を育成するための施策を自動化・効率化することも出来る。

AI問い合わせ代行システム

顧客となってくれそうな企業の問い合わせフォームから営業問い合わせを自動的に行うツール(迷惑がられる傾向があるため要注意)。

4.最後に

これらの施策を見込み顧客一人ひとりに合わせて個別のアプローチをしようとすると膨大な時間と労力が伴います。

 

そこで意識したいのが、見込み顧客へのアプローチの効率化です。

 

見込み顧客とのコミュニケーションのフローを「シナリオ」という形で設計(仕組み化)し、メールの送信や資料の送付といったアクションを自動化することが理想です。

 

実は、3で述べたツールのほとんどはMAツールで多くをカバーすることができます。

そこで次回は、MAツールのメリットやBtoBマーケティングにMAツールが有効である理由、BtoBマーケティングにおけるMAツールの選び方をご紹介いたします。