【証券フロントシステム】表からは見えない機能の重要性

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みなさまこんにちは。株式会社リライフ・ジャパンのHと申します。

株式会社リライフ・ジャパンは、金融系、特に証券系システム開発に強みをもつ会社です。

 

本日は、証券フロントシステムについてお話させていただきたいと思います。

 

 

1.身近になった証券取引

ネットによる証券取引は、誰でも身近なものとなりました。

取引ツールも充実しており、WEBサイトだけではなくスマホアプリや操作を簡単にしたアプリ、PCツールや高度な機能をもたせたツール、あらかじめ希望の値段や条件を複数指定することで自動売買ができるツールや、操作性と処理スピードを重視したツールなど、様々なものがあります。

 

現物株取引なら誰もが取引所の板情報を見てリアルタイムで発注することが可能ですし、取引後にはお金や保証金などの余力も計算されて確認することができます。

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2.フロントオフィスシステムとバックオフィスシステムのつながり

様々な取引ツールがあることからも、証券フロントシステムの最も大きな役割は取引を行うことであると思います。取引を行うと、証券フロントシステムには注文情報や約定情報が毎日大量に発生します。

この大量の取引情報は、証券会社の業務において、約定後の様々な処理や法定帳簿の作成などを行い適切に管理される必要があるため、証券バックオフィスシステムで処理をしてもらう必要があります。

その結果、例えば、税金計算を行ったり、取引報告書などは早ければ翌日にはWEBサイトから参照することができるようになります。

 

つまり、フロントシステムでは、取引ツールによって日々大量の取引を処理しながらも、その大量の取引データを遅滞なく証券バックオフィスシステムへ渡す必要があります。

 

フロントオフィスシステムとバックオフィスシステムについては、こちらの記事で詳しくお話ししています。

blog.css-net.co.jp

 

例えば東京証券取引所が取り扱う現物株式は15:00にその日の取引が完了しますので、その日の注文や約定とそれに関連する情報を証券バックオフィスシステムに渡して処理をしてもらいます。

そしてその間も、証券フロントシステム上では翌日向けの注文を受注し、入金を受け付け、他商品の取引の受注など止まらずに稼働し続けています。

 

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ある大手ネット証券の開示情報では、2021年9月は、1日当たり平均にして約100万件の注文と70万件を超える約定を受け付けたそうです。
相場の変動が大きい日などには更に取引件数が大きくなりますが、突然取引が集中する事があっても、(むしろ、そういう時こそ)システムは安定稼働する必要があります。

3.表からは見えないけれど・・・

証券フロントシステム(と証券フロントシステムの開発)というと取引ツールなどが注目されやすいように思いますし、実際優れたツールには利用者が集まりますからとても重要です。

ただ、取引ツールが便利であればあるほど、システムを稼働し続けながら、裏では集まった大量のバッチ処理と証券バックオフィスシステムなど他システムと大量データのやりとりをどれだけスムーズに行えるかも重要になってきます。

 

どれだけの量のデータが発生しそれをいつまでに処理する必要があるかによっては、いわゆるバッチ一括処理を単純に作るだけでは上手くいかない場合もあって、「システムを止めない」(または止める時間を最小限に抑える)ためにその処理の特徴に合わせ、場合によっては変わった処理方法をとるようなこともあると思います。といっても特殊な処理すぎてメンテナンス性が悪くなることも駄目ですから、すべてを満たす処理方法を探すことがとても重要です。

その結果、使いやすいだけではなく必要な時に必要な情報をきちんと参照できる優れた取引ツールを持った、「証券フロントシステム」が完成するのだと思います。

4.最後に

これまでいくつかの全く違うコンセプトの証券フロントシステムを知る機会を得まして、その中で特に印象深かった、「フロントシステムのバッチ処理」について皆様にお伝えできてうれしいです。

最後までご覧いただきありがとうございました。