証券会社のシステムとヘルプデスク業務について

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みなさん、はじめまして。

株式会社リライフ・ジャパン 証券ソリューション本部の鎌倉と申します。

私は、現在主に証券会社のバックオフィスシステムのヘルプデスク業務を行っております。

 

今回は証券会社のシステムの概要とヘルプデスク業務についてお伝えさせていただきます。

 

 

1.証券会社で使用しているシステムとは

投資家との対面販売やインターネット取引や仲介業など、総合証券会社の取引形態に対応し、口座開設から注文・決済、コンプライアンスチェック、コーポレートアクションによる権利処理及び営業員が使用する営業日報の管理、財務会計などの機能を保有し、証券会社全体の運用・管理を総合的にサポートしているシステムです。

 

システムの形式は主に3タイプあります。

  1. 共同利用型サービス:複数の証券会社様でシステムを共同で利用
  2. アウトソーシング型サービス:オーダーメードでシステムを利用
  3. 部分利用型サービス:SI部品としてシステムを利用

 

また、取扱の商品も、国内株式、国内投信、国内債券、外国株式、外国投信、外国債券と多くの金融商品を扱っています。

 

2.フロントオフィスシステムとバックオフィスシステムとは

証券会社のシステムは「フロントオフィスシステム」と「バックオフィスシステム」に大別されます。

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  • フロントオフィスシステム

投資家が直接取引などを行うシステム。

ネットから注文の発注の受付や預り明細残高、約定照会などを参照することが出来る。

 

  • バックオフィスシステム

証券口座をトータル管理するシステム。

注文発注から発生したデータの管理、約定後に発生する後処理全般を行う。

 

3.バックオフィスシステムの概要について

証券会社のバックオフィスシステムは以下のようなシステムがあります。

※あくまでも以下の内容はバックオフィスシステムの一部であり、その他に様々なシステムが存在します。

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顧客属性:口座開設登録や投資家の氏名・住所などの基本情報を管理

注文約定:投資家から受注した取引の注文入力、出来入力、約定入力など

募集業務:PO、IPOの銘柄登録、残高管理、募集注文の入力など

保管管理:買付、売却による預り明細の管理、証券保管振替機構への連携

権利処理:利金、分配金、配当金やコーポレートアクション等の情報登録し処理を行う

営業日報:営業員が投資家と接触した内容を登録や管理を行う

財務会計:証券会社の自己口座の管理などの会計処理や諸税務の処理を行う

コンプライアンス:口座情報をもとに、取引が適正に行われているかをチェックする

4.ヘルプデスク業務について

現在、私は「共同利用型サービス」形式のシステムのヘルプデスクメンバーとして業務を行っています。

 

ヘルプデスクはバックオフィスシステムを利用しているユーザー様(証券会社)からの各種問い合わせ対応を行っています。システムの仕様についての問い合わせや使用方法などのサポートから、誤操作により発生したトラブルの原因を究明し解決方法を提案するなど、対応する業務範囲は多岐にわたります。

ヘルプデスクでは解決が難しい事案は、各担当部署に連携し、ユーザ様の問題が解決するまでサポートしています。

 

ヘルプデスクにより業務上の問題が解決する事で、ユーザー様は円滑に滞りなく業務を遂行できるようになります。

 

5.ヘルプデスク業務を行ってみて…

私は、証券業務の知識がなく、ヘルプデスク業務を行ったのは今回が初めてでした。

ヘルプデスク業務を行い、3つのことが重要であると感じました。

 

1.システムの知識の必要性

上述したように、証券会社のバックオフィスシステムは多くのサブシステムを連結して構成されています。各サブシステムがどのような働きをし、他のサブシステムへの影響範囲など、幅広いシステムの知識や複雑な仕様などを理解する必要がありました。

2.証券業務の知識の必要性

ヘルプデスクでは、ユーザ様(証券会社)の様々な部署からの問い合わせがあります。

注文約定や国内外の権利処理、財務会計など、それぞれの部署で専門的に業務を行っている担当部署からの問い合わせ内容を理解する必要があります。

問い合わせ内容を正確に理解するためには、証券の基本的な制度や証券会社がどのような業務を行っているのかなど、証券業務に関する知識が必要不可欠でした。

3.コミュニケーション力の必要性

ユーザー様とのやり取りは電話やメールとなり、 口頭や文面だけでユーザー様からの問い合わせ内容を読み解き、ユーザー様に分かりやすく、理解できる内容で回答をしなければなりません。相手の要望の要点をまとめ、顧客に寄り添った対応をすることで、ユーザー様との信頼関係が構築されると思っています。

信頼関係を構築することで、スムーズな問題解決にもつながりました。

 

6.終わり

今回は、文字が多く、イメージしにくい部分もあったかと思いますが、証券会社システムとヘルプデスクについてご興味を持っていただければ幸いです。

最後まで閲覧いただきありがとうございました。