業務で使用したデータ・ファイル転送ソフトのご紹介

使いやすかったデータファイル転送ソフトを紹介する記事の表紙画像こんにちは。株式会社シー・エス・エス、ファイナンシャル・ソリューション開発部のKです。
システム開発を行う中で、関わりのあったデータ・ファイル転送ソフトを紹介します。
いくつか見てきた中で使い易そうなものについては少し詳しく説明したいと思います。

1.業務の中で関わりのあったデータ・ファイル転送ソフト

ACMS

DAL(データ・アプリケーション)が提供しているACMSは、企業間電子商取引(EDI)や社内システム間のデータ連携を統合管理できるソリューションです。


金融業と金融業の間のデータのやりとりの仕様を決めた全銀手順(Z手順とも呼ばれる)が、1983年にBSC伝送制御手順(ベーシック手順)のひとつとして制定されました。この全銀手順の中でACMSが使われることがありました。その後、TCP/IP(インターネットで標準使用されるプロトコル)に対応した全銀TCP/IP手順が制定されています。全銀手順・全銀TCP/IP手順のサポートがISDNの終了に伴って2023年12月31日で終了し、光回線を使用した全銀TCP/IP手順・広域IP網になっています。


日立システムズからEDIパッケージの製品が販売されて使いやすくなっています。

MQ

IBMが提供しているMQは、アプリケーション間通信用のミドルウェアで、メッセージ・キューイング型の非同期通信基盤です。


送信側がキューにデータを書き込み、受信側がキューからデータを取得します。受信側で問題があって受信できない状態でも、データはキューに残っているため失われません。


使用するためにキューやチャネルの管理等、環境の準備の難しさがあると思います。

HULFT

セゾン情報システムズが提供しているHULFTは、TCP/IP通信ミドルウェアでファイルの転送ソフトです。


業務システムの基盤として使えるように、文字コード変換をはじめとする多彩な機能を備え、サーバやプラットフォーム、コード体系などが異なるさまざまなファイルを送り届けます。標準的なTCP/IPプロトコルを使い、ファイルの自動圧縮による高速転送が可能です。業務処理との連携(ジョブ起動)や集配信管理が充実しており、運用を自動化することが出来ます。

2.使い易いと思えたデータ・ファイル通信ソフト

HULFTが一番使い易い

個人的にHULFTが理解しやすく扱いが楽だと思います。運用するためには、ネットワークの設定やエラー監視などが必要になりますが、IPアドレス間でのファイル転送であることが見えやすいので理解しやすく感じます。


機能として、配信が正常に行われた際、集信が正常に行われた際に後続処理の実行が可能です。
集信した後に、Windows環境であればバッチファイルの起動や、Linux環境であればシェルの起動を行なって、集信後にプログラムを起動して受信したファイル内容をデータベースに取込等を行うことが可能となります。


下図にHULFTでファイル転送する際に使用する定義情報を記載します。IPアドレス間での通信や、後続処理の定義のし易さが感じとれるのではないかと思います。

図.HULFT定義情報

3.最後に:転送ソフトは目的や環境によって選ぼう

データ、ファイルの転送ソフトは目的や環境によって選ぶことになると思います。他社との接続ではこのソフトを使用しないといけないということもあると思いますが、ソフトを選択するうえで参考になるといいなと思います。


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入社27年目です。金融関連会社でシステムの開発・保守を担当しています。
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年齢に負けずに頑張ってきます!