はじめまして、保険太郎と申します。
今回は、数十年前から稼働する大規模保険システムのマイグレーション(Javaによるオープン化)という案件に携わった中での経験を少しだけお話ししたいと思います。
1.大規模保険システムのマイグレーションへの挑戦
1-1.案件の背景
数十年前に構築された現行保険システムは既存商品の改定や新商品の追加、クレジットカードやQRコード決済といった支払方法の多様化などその時代にあったニーズに応えるため、何十年もかけて改修を続けてきました。
その結果、システムが肥大化し、新たなニーズにスムーズに対応することが厳しくなってきました。
そこで、Javaによるオープン技術を用いてシステム構成を見直し、よりわかりやすく拡張性の高いシステムへと刷新することでこれらの問題を解決し、時代や顧客のニーズやよりよい商品をスムーズに提供することを目的として本案件が立ち上がりました。
1-2.肥大化したシステムをどのようにリリースしていくか
この肥大化したシステムを刷新するためには、まずシステムの土台となる基盤が必要になります。
そこで、扱っている保険商品の中からシステム化するうえで比較的難易度が軽いものを選定し、それをもとにシステムの基盤の検討を行い、第2弾以降の商品もその基盤に乗せることでスムーズにリリースできる仕組みを作ることとなりました。
2.案件に取り組むうえで起こった問題
2-1.既存システム全体の把握
まず既存システムで何ができているかを把握する必要がありました。
当然、既存システムでできている機能を新システムでも実現する必要があります。
しかし、数十年もかけてシステム改修され複雑化していることから、全ての機能をもれなく把握することは困難でした。
そこで、ユーザ部やシステム部など多くの関連する部門のメンバーがかなりの時間をかけて、現行システム解析、新システムへの追加要望、それらを実現するための課題をどう解決していくかなどの議論を何度も重ねることで先に進めていくことができました。
2-2.海外メンバーとの伝達齟齬
次に開発をどのようにスムーズ行うかも課題となりました。
この案件の開発製造の中心は、海外メンバーとなっていたことから、設計のちょっとしたあいまいなさがあった場合、設計者の意図と異なった内容で作られる懸念がありました。
この懸念に対しては、設計の早い段階で海外の担当者も加わってもらうことで、お互いの関係性も深め、システムの目的、設計の意図を共有する時間をもつことにしました。
設計・製造メンバー間の関係性を深めること、製造メンバーが設計をより理解することで、お互い意見をぶつけ合うことができ、より品質の高いモノづくりができたと思います。
その後、テストフェーズにおいて、いくつもの問題が発生しましたが、設計、製造メンバーが理解しあう時間をもったことで、発生した問題を解決していくことができ第1弾のリリースにこぎつけることができました。この成功は共有した時間がとても有用だったと考えています。
3.さいごに
システムが古くから何十年も使用され続け、現在にわたりものすごい数の変更が積み重なり、プログラムの複雑化、ドキュメントの陳腐化、人の入れ替わりにより有識者の減少などにより、これらが高いハードルとなりました。
今回、全員でこの高いハードルを乗り越え、第1弾のリリースを行うことができたことは今後の自分の糧ともなり、第2、第3のリリースへと乗り越えていけると感じています。
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