はじめに
はじめまして。クラウド推進課の保田(ほだ)です。
会社に提出している個人の年間目標がこのエンジニアブログを月一で更新するというものでしたが、個人でやっているブログの方にうつつを抜かし、気がつけば12月も半分近く過ぎてしまっていました。
なのでこれから書きます。 何事も始めるのに遅すぎることはない、開き直りは大事かと存じます。 よろしくお願いします。
好きな食べ物はカップヌードルのシーフード味です。 この前箱買いしましたが、昼と夜に一つずつそれだけを食べるという生活になってしまったので買うのはやめました。 いつもお湯を入れる前に乾燥した具をつまみ食いするのがやめられないので、来年はやめられるようにしたいです。
普段のお仕事では AWS の特にサーバーレス分野の構築・開発をやっています。 Lambda と Python が好きです。
re:Invent
というわけで AWS が毎年この時期に開催している re:Invent について簡単に紹介いたします。
ざっくりいうと AWS の目玉アップデートやセミナー、ハンズオンセッションが開催されるイベントでございます。
例年はラスベガスで開催されており、私は現地にて参加したことは残念ながらないのですが、それはもうでっけぇ規模でやっているらしいです。
ですが、今年は例の事情もありオンライン開催となっております。 無料です(凄い)。
11月30日〜12月18日と1月12日〜1月14日という結構長い期間やっております。 英語だったり時差の都合で真夜中にやっていたりしますが、 Rebroadcast という形で日本時間のお昼に再放送されたり、またアーカイブとして一定期間は何度でも閲覧できるものや日本語のセッションもあります。
英語と言っても特に Keynote (基調講演)については洗練された簡潔なプレゼン資料とともにそもそも AWS 自体がほとんど英語なのをルー語のような形で我々が扱っているため雰囲気は割と理解できます。 夜更かしで体を壊したり日中のお仕事に支障が出ない範囲内でリアルタイムの一体感を味わってみてはいかがでしょうか。
といっても始まって二週間経っているのであらかた目玉イベントは出揃った感がありますが…
私は途中で一度寝落ちしてしまいましたが Andy Jassy (AWS の CEO です)の Keynote はだいたい見ました。 3時間近くあることを知らず何気なく見続けたらとんでもない時間になっていてビックリしました。
この Keynote で主な目玉アップデート、新サービスについて一通り紹介されるのですが、まず新しいサービスというのはなぜそれが必要なのかという Why があります。それが「昨今はこうこうこういう状況である。 AWS としてはこのようなサービスをもってそれに対して貢献して来たが、まだこういう課題がある。そこで我々は〇〇を新たに発表します」といった流れで紹介されるわけです。
あまり前提を知らなかったサービスだと「知らないサービスの上に新しいのが出て来て何もわからん〜」といった感じにならずスッと入って来ますし、ある程度知っているサービスだと「でもこの AWS サービスでは〇〇ができなかった」と説明された辺りで「ま、まさか… "アレ" が来るのか…?!」というワクワクドキドキを味わえる、と本当によくできていますよね〜
勝手にアップデートをピックアップ
こちらのブログにズラッと並んでいるのがその Andy Jassy の Keynote にて発表された新サービスおよびアップデートとなります。(多分。数が多いのでちょっと違うところもあるかも
この後にも日々痒いところに手が届くアップデートが登場しています。
それらの中でサーバーレス分野が好きな私が勝手に選んだわかりやすく凄いアップデートをいくつかピックアップしてご紹介します。
EC2 で Mac インスタンスが利用できるようになった
これは Keynote の前のセッションで紹介されて話題になりましたよね。 セッションの放送画面を開いたら背景のスクリーンに Apple のロゴが写っていて何事かと思ったらまさかの Mac インスタンスでした。
どうやら本当にデータセンターのラックに Mac mini をめちゃくちゃ積んでるらしいです。一つ欲しいですね。 少し真面目な話をしますと AWS Nitro System という EC2 の外側にあったシステムを AWS 独自のハードウェアとして分離する技術を利用することで、 Mac mini 自体には手を加えずに仮想化を実現しているらしいです。
まだ東京リージョンに来ていないとか、性能がめちゃくちゃ良いと評判の M1 チップ搭載のモデルはまだ(2021年を計画中らしい)など、ちょっとまだ飛びつくには早い気もしますが、楽しみです。
いろんな人(当社比)が言ってましたが AWS の仮想デスクトップサービスである WorkSpaces で Mac インスタンスが使えるようになると楽しいですよね。
Lambda がコンテナイメージをサポートするようになった
これまで Lambda をデプロイするときはランタイムにバンドルされていない外部ライブラリ含め zip に固めてS3 にアップロードする必要がありました。 そしてもちろんライブラリの容量制限もあり、圧縮した状態で50MBまでが上限でした。
特に機械学習系のライブラリは大きいので入りきらないこともよくありました。 一応 EFS をマウントすることでその容量制限を取っ払うソリューションも今年の6月だか7月に出ましたが、EFS が VPC 内にある都合上、 Lambda on VPC とする必要があり、ちょっとめんどくさいかなといった印象がありました。
それが今回のアップデートによって ECR でホストされた Docker イメージとしてデプロイできるようになりました。 しかも最大10GBなので今までより色々ライブラリを入れ込めそうです。
Lambda の CI/CD の考え方が大きく変わることになりそうですね〜
Lambda のランタイムの Docker イメージは公開されていますので、開発もこのコンテナ上で実施すれば「開発環境では動いたのに」がなくなりそうです。
あと Lambda の課金単位が 100ms から 1ms になりました。
これで Lambda の実行時間を 100ms 以下のオーダーでも切り詰めていくことでさらにコスト効率が向上します。頑張りがいがありますね。
ECR がパブリックなコンテナイメージもホストできるようになった
今まで自分のアカウント内か明示的に許可したアカウントに対してのみ公開することができたECR がパブリック用にも使えるようになりました。
ここ最近コンテナ系のアップデートが多いのでついていくのが大変ですが、どんどん便利になっていってますね。
あとは AWS Batch で Fargate が使えるようになったり、 EKS で使用されるKubernetes のディストリビューションが出ました。
まだまだあります
挙げ始めるとキリがないのと、結局は公式ドキュメントかブログが一番正確でわかりやすいので本格的にアップデートを確認したい方はそちらをご確認いただければと思います。
かなり例に挙げたものが偏っていましたが ML 系(SageMaker 〇〇みたいな名前のサービスなど)もたくさん発表されました。 AWS としても SageMaker には例年力を入れているようで、色々新しい機能が追加されていました。 SageMaker は開発者やデータサイエンティスト向けの機械学習を実行するためのマネージドな基盤を提供するサービスですが、どんどん今まで手動でやっていた操作を自動化して楽にする方向に進んでいるような雰囲気を持ちました。
Amazon Connect も色々出てましたね。音声認証ができる Voice ID は今まで IVR だと本人確認用に毎回番号をポチポチ手でユーザーに入力させていたところを一気に解決しそうでワクワクします。 まだプレビュー版ですし GA されてもいつ東京リージョンに来るのか、そしていつ日本語に対応するのかなど私たちが使えるようになるまでまだかかりそうな雰囲気はいたしますが、楽しみです。
まとめ
勢いだけで書いてしまいましたが、この「好きなアニメが急に新しいエピソード100話分追加された」みたいな嬉しいが追いきれないぜ!という空気感はきっと伝わったのではないかと思います。
まだ re:Invent はやってますので興味を持たれた方はぜひ登録していただくと楽しいと思います。
今回の投稿で割と技術寄りな記事が存在するという前例を作ることができましたので、次はもっと軽い記事を書きたいと思います。
それではまたお会いしましょう。
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