
こんにちは!デジタル・マーケティング部の山内です。
業務を行う中で、「データ」を使用する、使用したことがある、そんな方も多いのではないでしょうか。
近年では、ビッグデータやクラウド、AIなどの技術が急速に進化し、それに伴って企業が扱うデータの量は爆発的に増えています。加えて、データの形式や種類もますます多様化しており、この膨大で複雑なデータをいかに効果的に分析・活用できるかが、今や企業の成長を大きく左右する重要な要素とされています。
データ分析・活用するためには、まずデータを集約・整理するための「データプラットフォーム」を構築する必要があります。このプラットフォームには大きく分けて、「データウェアハウス」と「データレイク」という2つの代表的な方式があります。
そこで今回は、「データプラットフォームについて基本から理解したい」「データウェアハウスとデータレイクの違いがよくわからない」という方に向けて、それぞれの特徴や違いを、わかりやすく簡潔に解説していきます。ぜひ、最後まで読んでみてくださいね。
データプラットフォームの種類を理解しよう!
そもそも、データプラットフォームとは、「データを収集・蓄積・加工・分析」するための技術的な基盤のことを言います。
データプラットフォームを構成する主要な要素として、主に「データウェアハウス」と「データレイク」が挙げられます。 これらはデータの保存と管理という共通の目的を持ちながらも、その役割やデータの扱いに明確な違いがあります。そのため、効果的なデータ活用のためには、これらの要素を適切に使い分けることが重要です。
それでは、それぞれに焦点を当ててお伝えしていきます。
1.データウェアハウスの基本と特徴
データウェアハウスにあるデータは、ビジネスインテリジェンス(BI)ツールを用いて分析されます。主にレポート作成や突発的に必要となった原因の究明を行う際のデータ分析などに利用されます。
【データウェアハウス】

2.データレイクの基本と特徴
データウェアハウスが事前に構造化されたデータを扱うのに対し、データレイクは、構造化・非構造化を問わず、テキスト・画像・音声・ログなど、様々なデータを未加工で保管できる点が最大の特徴です。ちなみに、大量のデータが「湖(Lake)」のように泳ぐことができるという意味合いから名付けられたんだそうです!特徴がわかりやすい名前ですよね(笑)
データレイクのデータは、データサイエンティスト等が分析を行います。
そのデータは、主に機械学習やAIを含めたデータ分析に用いる大量データ分析プラットフォームで活用されます。未加工のデータが保存されるため、データの多様性を保ちながら、必要に応じて様々な分析を行うことが可能です。
【データレイク】

3.データウェアハウスとデータレイク、何が違うの?
ここまでデータウェアハウスとデータレイクそれぞれの概要を見てきましたが、両者の具体的な違いについて、「よくわからないな」と感じた方もいるのではないでしょうか。
データウェアハウスは、分析しやすいように整理された「構造化データ」を格納する場所です。一方、データレイクは、「未加工のデータ」を、どんな形式でも大量に貯められる場所になります。このため、データウェアハウスは決まった形式のレポートやビジネス分析に強く、データレイクは新しい発見やAI開発など、自由な分析に向いています。
データウェアハウスとデータレイクは、どちらか一方が優れているというものではなく、それぞれに長所と短所があるため、互いに補完し合う関係です。どちらのシステムを選ぶべきかは、扱うデータの種類や利用目的、エンドユーザーによって大きく異なります。
以下の表で、両者の違いを確認してみてください!
【データウェアハウスとデータレイクの違い】

それぞれのメリット・デメリット
1.メリット
(1)データウェアハウス
データウェアハウスの最大のメリットは、専門知識がなくてもユーザーが直接データを活用できる点にあります。
データウェアハウスでは、データが分析しやすいように整理・加工され、視覚的に分かりやすい形で出力されます。また、データを素早く検索・分析できる能力があり、高品質で一貫性のあるデータを使って、過去から現在までのトレンドを正確に把握できます。
(2)データレイク
対してデータレイクの最大のメリットは、構造化・非構造化を問わず、どんなデータでも低コストで大量に保管できる点にあります。
これにより、これからどんな分析が必要になるかや、目的がまだ定まっていないデータも柔軟に対応可能です。データレイクは、データの中に隠れた傾向やパターンを見つけたり、AI(人工知能)の仕組みを作ったりするのにとても便利な場所です。また、未加工のデータを長期間保管することができるため、災害が起きた際の「データの保険」として機能することも可能です。
このように、同じデータプラットフォームとはいっても、メリットや使われる目的が大きく異なるんです。
2.デメリット
(1)データウェアハウス
データウェアハウスには多くのメリットがある一方で、いくつかデメリットも存在します。データウェアハウスは検索性に優れた高性能なストレージが必要なため、コストが増大する可能性があります。また、事前に厳密なデータ構造(スキーマ)を定義する必要があり、構築には時間と手間がかかることも少なくありません。
このように、この厳密な構造ゆえ、新たなデータを取り込む際に、そのデータ構造が既存のデータウェアハウスの構造と合わない場合、データウェアハウス側の構造を大きく変更する必要があるなど、柔軟性には限界があります。そのため、導入を考える際には、あらかじめ決められた形式のデータ分析には不向きな場合がある点も考慮する必要があります。
すなわち、これらを理解し、必要なデータを厳選するなど、適切な設計と運用が成功の鍵となります。
(2)データレイク
データレイクにも、同じようにデメリットが存在しています。
まず、データレイクは「データの湖」といわれるくらい様々な形式のデータが未加工のまま格納できる一方で、データの有効活用が難しいです。そのため、データの信頼性確認や加工にはエンジニアやデータサイエンティストのスキルが求められます。また、管理体制を整えないと、どこに何のデータがあるか分からない「データの沼」(データスワンプ)状態に陥り、かえってデータの探索が困難になるリスクがあります。
すなわち、データの品質や整合性が保証されないため、効果的な分析には適切なデータの整理や修正が不可欠であり、データの管理体制やルールを作成するほか、セキュリティ対策も重要となります。
データウェアハウスとデータレイクの活用事例

ここからは、データウェアハウスとデータレイクが実際にどのように活用されているのか、具体的な事例を見ていきましょう。
1.データウェアハウスの活用事例
データウェアハウスは、主に目的のための分析を行う際に活用されています。
(1)金融業の経営・リスク分析
銀行数社では、預金、融資、為替、証券といった様々な業務システムから発生する取引データ、顧客情報、口座情報などをデータウェアハウスに統合。統合されたデータを基に、経営層はリアルタイムに近い形で収益状況やコスト構造を把握する経営ダッシュボードを構築。また、過去の取引履歴から不正取引のパターンを分析したり、与信リスクを評価したりすることで、リスク管理体制を強化し、健全な経営判断に役立てています。
(2)製造業の生産・品質管理
ある自動車部品メーカーでは、各製造ラインの生産実績データ、品質検査データ、不良品発生履歴などをデータウェアハウスに集約。これにより、製品の生産効率、不良品率の推移、特定の工程での品質問題などを詳細に分析。過去のデータと比較することで、品質改善のボトルネックを特定し、生産プロセスの最適化やコスト削減に貢献しています。
2.データレイクの活用事例
一方、データレイクは目的のための分析というよりかは、これまで見えなかった傾向やパターンを見つけたり、AI開発を目指す分析の場面で活躍しています。
(1)オンラインサービスのパーソナライズ
ある大手ECサイトや動画配信サービスでは、ユーザーのサイト内でのクリック履歴、閲覧履歴、検索ワード、滞在時間、デバイス情報、エラーログなど、あらゆる行動ログデータをデータレイクに未加工で蓄積。この膨大な生データを活用し、機械学習モデルを開発。「このユーザーには次にどんな商品をレコメンドすべきか」「どんな動画を提案すれば視聴時間が伸びるか」といった予測を行い、個々のユーザーに最適化された商品やコンテンツをリアルタイムで表示することで、顧客体験を向上させ、売上やエンゲージメントの向上に繋げています。
(2)IoTデバイスの予知保全
ある産業機械メーカーでは、自社の工場に設置されたIoTセンサーから送られてくる振動、温度、圧力、稼働時間などの時系列データをデータレイクにリアルタイムで取り込み、そのまま保存。この未加工のデータ群に対してAI・機械学習を適用し、機械の異常な挙動や故障の兆候を自動で検知するモデルを構築しました。これにより、実際に故障が発生する前にメンテナンスを行う「予知保全」を実現し、ダウンタイムの削減や部品交換コストの最適化を行うことができています。
▼こちらでも、データ活用基盤についてやその事例をわかりやすく説明しています。
データ活用の「土台」を理解し、次なるステップへ
今回のブログでは、データプラットフォームの中でも、「データウェアハウス」と「データレイク」に焦点を当てて内容を深堀りしてきました。
これらはどちらか一方が優れているというものではなく、それぞれの特性を理解し、目的やデータに応じて適切に使い分ける、あるいは連携させることが、データ活用を成功させるための重要な鍵となります。
このブログが、データ活用の土台を理解するためのお役に立てたなら幸いです。
ご一読いただきまして、ありがとうございました!
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この記事を書いた人

名前:山内 恵美
経歴:転職で株式会社シー・エス・エスに入社の2年目。社会人歴はSE6年、マーケティング業務は1年目。
趣味:カフェに行くこと、ドラマを見ること、散歩
予定がないときは、カフェに行って何かしていることが多いです。お気に入りはタリーズです(^^)
会社の近くにタリーズができてほしい!そう願う日も少なくないです笑