RPAはAIエージェントに仕事を奪われるのか?!未来の自動化戦略

RPAの仕事はRPAに仕事を奪われるのかのサムネ

こんにちは!デジタル・マーケティング部の山内です。
最近よく耳にするようになった「AIエージェント」。これは、与えられた目標を達成するために、状況を自律的に判断し、計画を立てて実行するソフトウェアです。
…これを聞いて、RPA(Robotic Process Automation)を思い浮かべた方もいるかもしれません。RPAと違って自律的に判断するのであれば、「AIエージェントのほうが性能が高く、RPAから置き換わる存在になるのではないか?」と不安に感じる方もいるのではないでしょうか。
しかし、RPAとAIエージェントは対立する存在ではありません!むしろ、それぞれの強みを活かして連携することで、これまで以上の業務効率化を実現することができるんです!
本ブログでは、RPAとAIエージェントの違いから、具体的な連携方法、そして導入ステップまでを解説します。ぜひ、最後まで読んでみてくださいね。

RPAが得意なこと、AIエージェントが得意なこと

RPAとAIエージェント、両者が持つ能力は大きく異なります。まずは、それぞれの得意分野を掘り下げてみていきましょう!

1.RPAの強み

 

(1)精度が非常に高い「指示通り」の実行者

RPAは、「決められた手順を正確かつ高速に実行する」ことに特化したデジタルワーカーです。

(2)ルールベースの処理

RPAは、人間が設定したルール(例:ボタンを押して、データを入力し、このファイルを保存するなど)を忠実に、そして疲れることなく繰り返します。どれだけ複雑な定型業務でも、ミスなく処理できる点が最大の強みです。

 

(3)既存システムとの連携

多くの企業にとって、IT環境を大幅に変えることなく導入できるのは大きなメリットです。RPAは、既存のシステムインターフェースをそのまま利用するため、原則システム改修は不要。まるで人間がPCを操作するように、複数のシステムを横断して作業できます。

 

(4)短期的な効果

導入から比較的短期間で、目に見える形で業務効率化やコスト削減の効果、つまりROI(投資収益率)を実感しやすいのもRPAの特徴です。すぐに成果を出したい業務に最適と言えます。

 

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2.AIエージェントの強み:自ら学び、判断する「賢い」相棒

一方、AIエージェントはRPAとは異なり、「自律的に思考し、変化する状況に柔軟に適応する」能力を持ちます。

 

(1)非定型業務への対応

RPAが苦手とする、予測不能な要素を含む業務や、今まで人間が判断していた業務に真価を発揮します。例えば、自然言語処理(NLP)を駆使して顧客からの問い合わせ内容を理解したり、画像認識で異常を検知したりと、定型化されていない複雑な情報を扱えます。

(2)学習と進化

AIエージェントは、まるで人間のように「経験」を通じて自ら学習し、パフォーマンスを向上させる能力を持っています。運用を重ねることで学習や改善が進み、より高度な判断や最適な解決策を導き出せるようになります。

(3)自律的な意思決定

人間からの詳細な指示がなくとも、状況に応じて最適な選択を行い、自ら意思決定をして、行動を開始します。例えば、顧客の過去の購買履歴や行動パターンを分析し、最適な商品やサービスのおすすめをするといったことが可能です。

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【RPAとAIエージェントの比較表】

RPAとAIエージェントの違いの図

RPAとAIエージェントの連携例

ここまで見てきたように、RPAとAIエージェントはそれぞれ得意な領域が異なります。RPAはルール通りに正確に、AIエージェントは状況に応じて賢く判断し、学ぶ
特異な領域が異なるため、どちらか一方がもう一方の仕事を「奪う」という構図ではありません。むしろ、それぞれの強みを活かし、弱みを補い合うことで、これまで以上に高度で柔軟な自動化を実現する補完し合う関係にあるんです!

では、RPAとAIエージェントがどのように連携できるのか、具体的な例をいくつかご紹介しましょう。

例1:顧客対応の高度化と効率化

これまでRPAは、チャットボットが受け付けた定型的な問い合わせに対する情報入力や、FAQからの回答抽出などを自動化してきました。しかし、AIエージェントが加わることで、さらに柔軟な対応が可能になります。

Step1(読み取り): AIエージェント
顧客の問い合わせ内容を深く理解し、 意図を汲み取り、過去データや学習内容から最適な回答候補を生成。

Step2(入力・実行):  RPA
AIが特定した情報(顧客ID・注文番号など)を基に基幹システムから詳細データを取得
し、必要な情報入力や処理を自動実行。

Step3(分析・回答生成): AIエージェント
RPAが取得した詳細データを分析し、顧客の状況に合わせた最終的な回答や手続き案内を生成。

Step4(送信・記録): RPA
AIエージェントが生成した回答を、指定されたフォーマットで顧客へ自動送信。同時に送信履歴を記録するなどのプロセスも自動実行。

RPAとAIエージェントの補完関係の図

例2:手書き書類や非構造化データの処理自動化

RPAの弱点の一つが、手書き書類や画像データといった非構造化データの扱いです。このようなケースでは、まずAI-OCRで紙文書や画像から文字を高精度にデジタル化し、そのデータをAIエージェントが意味を理解し、分類することで、高度な自動処理が可能になります。

Step1(変換):AI-OCR

紙の請求書・申請書・FAXを読み取り、手書きや印字文字を高精度でデジタル化し、テキストデータに変換。

Step2(抽出・分類):AIエージェント

AI-OCRでデジタル化されたテキストデータを理解し、必要な情報(金額や日付など)を抽出・分類。

Step3(入力):RPA
AIエージェントが抽出・分類したデータを自動で入力し、会計システムや基幹システムへ反映。

AI-OCRとAIエージェントとRPAの連携の図

RPAとAIエージェントの導入ステップ

ここまでで、「RPAとAIエージェントを連携させることによって広がる可能性」を感じていただけたのではないでしょうか?次は、「うちの会社でも何かできるのでは?」と思った方のために、具体的な導入の流れを考えてみましょう!

1.まず「知る」ことから

RPAやAIエージェントの導入を成功させるには、まず自社の業務を深く理解することが不可欠です。

2.業務の洗い出しと可視化

現在、どのような業務が、誰によって、どれくらいの頻度で行われているのかを具体的に洗い出しましょう。特に、時間やコストがかかっている業務、手作業が多くヒューマンエラーが発生しやすい業務に注目してくださいね。

3.「定型」と「非定型」の仕分け

洗い出した業務がRPA向きのルールベースの定型業務なのか、それともAIエージェントが真価を発揮する判断を伴う非定型業務なのかを見極めます。この仕分けが、最適な自動化戦略の第一歩となります。

4.段階的な導入のススメ:焦らず、着実に

いきなり大規模な自動化を目指すのは得策ではありません。まずは、小さく始めて成功体験を積み重ねることが重要です!

5.RPAからのスタート

多くの企業にとって、まずはRPAで定型業務の自動化から始めるのが現実的です。導入が比較的容易で、短期間で効果を実感しやすいため、社内の理解と協力も得やすいでしょう。

 

6.AIエージェントの段階的適用

RPAでベースを築いた後、次にAIエージェントを部分的に導入することを検討します。例えば、顧客からの問い合わせのうち、頻度の高い非定型な質問への対応からAIエージェントを適用するなど、業務負荷が高い箇所からスモールスタートで進めるのがおすすめです。

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まとめ:未来の自動化戦略を考える

ここまで、RPAとAIエージェント、それぞれの強みや、両者が連携することで実現することについてご紹介しました。RPAが正確な定型業務の実行者であるなら、AIエージェントは自ら学び、判断する賢い相棒。どちらか一方が仕事を奪うのではなく、ビジネスを大きく成長させるには、それぞれの特性を理解したうえでどちらかを選択したり、適切に組み合わせて使うことが重要です!
本ブログが、RPAとAIエージェントの違いについての理解を深めるとともに、今後の自動化戦略を検討する際の一助となれば幸いです。

ご一読いただきまして、ありがとうございました!

この記事を書いた人

名前:山内 恵美

経歴:転職で株式会社シー・エス・エスに入社の2年目。社会人歴はSE6年、マーケティング業務は1年目。

趣味:カフェに行くこと、ドラマを見ること、散歩

予定がないときは、カフェに行って何かしていることが多いです。お気に入りはタリーズです(^^)

会社の近くにタリーズができてほしい!そう願う日も少なくないです笑

 

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