こんにちは。株式会社シー・エス・エス、デジタル・マーケティング部のサットンです。 今、AIデータセンターの建設が世界中で加速していること、ご存じですか。
AIデータセンターとは、生成AI(人工知能)向けの高性能GPU(画像処理半導体)を搭載したサーバーを大量に運用できるデータセンターのことです。
従来のデータセンターとは何が違うのか、なぜAIデータセンターが増えているのか、AIデータセンターについて深堀ってみました。
- 従来のデータセンターとAIデータセンターとの違い
- なぜAIデータセンターの建設が増えているのか?
- AIデータセンターの課題
- AIデータセンターの未来
- 【まとめ】AIデータセンターはAI技術の普及に伴い需要が増えているが、課題も存在する
- この記事の担当
従来のデータセンターとAIデータセンターとの違い
「汎用性」に優れた従来のデータセンターと、「特定用途での高性能」に優れたAIデータセンター
一方、AIデータセンターは、AIや機械学習ワークロードに特化しており、大規模で並列処理が必要なデータトレーニングや推論を行うために設計されています。これにより、高性能GPUやTPU、特殊な冷却技術、高速なデータ転送を可能にするネットワーク、さらに大容量で高速なストレージが多く導入されています。
なぜAIデータセンターの建設が増えているのか?
急速に広がるAI技術の需要を満たすため、AIデータセンターの建設が加速している
世界中で建設が増えているAIデータセンターですが、日本にも現在、計画中を含め18社の32施設があることが、日経コンピュータの調査で判明しています。AIデータセンターの建設が増えている背景には、AIや機械学習技術の急速な普及と、それを支えるインフラの需要が高まっていることが関係しています。
AIの普及と産業への浸透
データの増加と計算力の必要性
AIや機械学習の精度を上げるためには、大量のデータを使ってモデルをトレーニングする必要があります。特にディープラーニングでは数百万~数十億件規模のデータが扱われることが一般的で、従来のデータセンターでは対応しきれないほどの計算力が求められます。これにより、専用のAIデータセンターの建設が進んでいます。リアルタイム分析とエッジAIの拡大
自動運転車、スマートシティ、IoTデバイスなど、リアルタイムでのデータ処理が求められる分野が増えています。これらの分野では、エッジデバイスからクラウドにデータを送り、高速で分析を行うAIデータセンターが必要です。このように、AIデータセンターは、急速に広がるAI技術の需要を満たすために建設が加速しており、今後も拡大していくと見込まれています。AIデータセンターの課題
AIデータセンターを建設するためには、クリアしなければならない課題があります。主な7つの課題をご紹介します。
高度な冷却技術
AIデータセンターは発熱量が大きいため、従来の空冷システムでは十分に冷却できないケースが増えています。液体冷却や液浸冷却といった高度な冷却システムの導入が必要ですが、これにはコストがかかり、運用面でも複雑さが増します。
床の耐久力
AIデータセンターには高密度で重い機器(特にGPUやTPUを搭載したサーバーラック)が設置されるため、従来のデータセンターよりも強い床荷重が求められます。フロア全体を補強する必要があり、建設時に強度設計を行う必要があります。
電動リフターの必要性
従来のデータセンターには、足踏み式のリフターがあることが多いですが、AI用のGPUサーバーは非常に重く、従来型のリフターでは作業が難航するため電動リフターなど重機の導入が必要になります。
バスダクトの必要性
バスダクトとは、電力を供給するための金属製の配線システムで、特に高電流を効率的に分配するために使用されます。AIデータセンターでは、サーバーが高密度で配置され、多数のGPUが稼働するため、単純な電源ケーブルでは必要な電力を確保できない場合が多いです。そのため、AIデータセンターでは、サーバールームの天井や床下などに大電流を送る「バスダクト」の配備が必要になります。
床の防水対策
冷却塔(クーリングタワー)の課題
ただ、冷却塔(クーリングタワー)の設置にはスペースが必要であり、水の使用量や冷却効率の管理も重要な課題となります。
受電容量の増加
AIデータセンターでは、高性能なGPUやTPUが多く使用されるため、従来のデータセンターと比べて電力消費が非常に高くなります。これにより、受電容量も大幅に増加する必要があります。
AIデータセンターの未来
次世代技術の展開
色々な課題があるAIデータセンターですが、今後も進化を続け、より高性能で効率的なデータセンターへと発展していくことが予想されます。例えば、量子コンピューティングやエッジコンピューティングなどの次世代技術が、AIデータセンターに新たな可能性をもたらすかもしれません。
エッジコンピューティングは、データ処理をデータ発生源の近くに置く技術であり、AIデータセンターの分散化やリアルタイム処理能力の向上に貢献する可能性があります。
持続可能なAIデータセンター
AIデータセンターは、大量の電力を消費するため、環境負荷が懸念されているそうです。(人が想像するほど環境に負荷を与えないのでは?という意見もあったりしますが)
いずれにしても、環境に優しい取り組みを行うことで、企業はブランドイメージの向上、競争優位性の獲得、コスト削減、投資家からの支持を得るなど、さまざまな面で企業の価値を向上させることができると思います。
持続可能なAIデータセンターの構築には、省エネ技術の導入、再生可能エネルギーの利用、廃棄物削減などが重要となりますが、今後いかに持続可能なAIデータセンターを建設するかも、企業の長期的な成功に寄与する重要な要素となるかもしれません。
【まとめ】
AIデータセンターはAI技術の普及に伴い需要が増えているが、課題も存在する
AIデータセンターは、AI技術の進化とともに、ますます重要性を増しています。しかし、電力消費の最適化や冷却システムの革新など、様々な課題も存在します。これらの課題を克服し、AIデータセンターをより効率的に運用していくためには、最新の技術やノウハウを積極的に導入していく必要があります。
また、持続可能なAIデータセンターの構築に向けて、環境負荷の低減にも積極的に取り組める企業に、リーダーシップをとっていってほしいと思いました。
この記事の担当
デジタル・マーケティング部
ニックネーム:サットン
経歴:大学卒業後はフォワーダーとして国際貨物の輸送業務に従事。その後プログラミングとデザインを学びWebデザイナーにキャリアチェンジ。中小企業のコーポレートサイト制作を通じてWebマーケティングにも携わるようになる。現在はシステム開発会社、株式会社シー・エス・エスのデジタル・マーケティング部でIT関連のお役立ち情報を届けている。
好きなもの:犬、古畑任三郎、音楽
一言:高校時代にガールズバンドを組んでいました。カラオケの十八番は、相川七瀬の夢見る少女じゃいられないです!