BCP対策にクラウドを活用するべき理由

皆さんこんにちは。デジタルマーケティング部のサットンです。
ここ最近、各地で地震が増えていると感じませんか?
宮崎県で震度6の地震が発生し、気象庁は南海トラフ地震発生の可能性が通常より高まっていると発表しました。今年のお盆休みは恐る恐る過ごした方も多いのではないでしょうか。
いつ何が起きても大丈夫なように備えておくことは、とても大事なことです。それは、私生活だけではなく、ビジネスの世界でもいえること。予測不能な災害や事態に迅速に対応するためのBCP(事業継続計画)対策をとっておくことが重要です。
その一つの手段として、クラウド活用が注目されていることをご存じでしょうか。
本記事では、BCP対策にクラウドを活用するべき理由と注意点などを解説していきます。

BCP対策にクラウド活用が有効な理由

理由1:
ネットワークを介して利用できるクラウドサーバーならデータやシステムに被害がない

サーバーや機器などを全て自社で管理するオンプレミス運用、いわゆる自社で物理的なサーバーを運用している状態だと、大規模災害などで自社が被害を受けサーバーが壊れてしまった場合、事業継続ができなくなってしまいます。
しかし、クラウドサービスにより提供されているサーバーを使えば、自社に物理的サーバーを置いているわけではないので、自然災害や火災などで自社が大きな被害を受けたとしても、重要なデータやシステムに影響が出ることなく、アクセスを確保し業務を継続することができるんです。

理由2:
クラウドサービスのサーバーは、安全なデータセンターに置かれている

「でも、クラウドサービスの提供事業者が被害を受けたらどうするの?」という質問がでてきそうですね。大丈夫です。実はクラウドサービスのサーバーは、データセンターに置かれているのが一般的で、そのデータセンターは、地震だけでなく火災や停電にも強い構造となっており、自社でサーバーを保管するよりも、安全にデータを守ることができるんです。
さらに、データセンターの場所は、セキュリティ上の理由からほとんど公開されていません。機密情報を保護し、サイバー攻撃や物理的な脅威からデータセンターを守るためです。

データセンターのイメージ写真

例えば、AWS(Amazon Web Services)のデータセンターの正確な位置は公開されていません。データセンターの場所を公開しないことで、不正アクセスや破壊行為を防いでいるんです。
また、データセンターは一か所でなく、複数個所に分散して置かれているので、例えば東日本が大規模災害に見舞われていも、西日本のデータセンターを使用したりなど、そういったリスク分散が可能になります。
ちなみに、こういったデータセンターが設置されているエリアのことをリージョンと呼ぶのですが、日本だけでなく世界中にリージョンを数多く持つクラウドサービスの提供事業者もいて、それが、AWSやAzure(Microsoft Azure)など、主にグローバル展開している企業になります。
AWSのすごさを知りたい人はこちら

理由3:
サーバーがダウンしても、クラウド環境なら迅速に復旧できる

クラウドサービスを取り入れることは、BCP対策の一つとして有効ではありますが、クラウドサービス自体が停止してしまう可能性はあります。実際にあった例として、データセンターの冷却システムに障害が起き、室内が急上昇したことでサーバーがダウンしてしまったということが、過去に日本で起きました。
しかし、クラウド環境ではシステムの復旧が迅速に行えるため、ダウンタイムを最小限に抑えることができるんです。
オンプレミス環境では、システムの復旧にはハードウェアやソフトウェアの調達、設置、設定など、多くの時間と労力を要しますが、クラウド環境では仮想マシンやソフトウェアを簡単に複製することができ、短時間でシステムを復旧させることができます。
ちなみに、AWSの稼働率は99.99%(2020年時点)なので、サーバーダウンすることはほぼないに等しいです。

理由4:
自社で設備を揃えてBCP対策を行うよりも、コストを抑えられる

BCP対策にはコストがかかります。BCP対策の必要性を感じていても、実際はコスト面がネックになり、BCP策定をしていない企業も少なくないのではないでしょうか。BCPは非常事態の対策になるため、費用対効果が見えにくく、ついつい後手に回ってしまいがちなんですよね。
そこで、クラウドサービスの登場です。クラウドサービスを活用すれば、自社で設備を揃えてBCP対策を行うよりもコストを抑えられます。
クラウドサービスは月々の利用料金のみで利用できるため、初期投資を抑えることができるんです。また、クラウドサービスは、利用状況に応じて料金が変動するため、無駄なコストの削減にもつながります。

BCP対策にクラウドを活用する際の注意点

ネットワーク障害があるとアクセスできない

データがデータセンターにいくら安全に保管されていたとしても、インターネットがなければ、クラウド上のデータやシステムにアクセスができません。
緊急事態が発生した際に、クラウドにアクセスするための接続ネットワークが切断されてしまうとクラウドにアクセスすることができず、ネットワークの復旧まではデータやシステムを利用した業務は中断せざるを得ません。
対策方法としては、予備のネットワークを用意したり、あらかじめ二重化(冗長化)されたネットワークを利用するなどが挙げられます。

【まとめ】
BCP対策の目的をしっかりと考えたうえで、クラウドを取り入れてみよう

いかがでしたでしょうか。本記事では、BCP対策の一環としてクラウド活用が有効な理由について解説してきました。
しかし、クラウドサービスを利用しているだけでは真のBCP対策とはいえません。万が一に備えてデータのバックアップをとったりなど、リスクの分散をしてBCPの確実性を上げていきましょう。
また、BCP対策の目的も見失ってはいけません。一番の目的は、「緊急事態でも事業を継続できる体制を整え、ステークホルダーに価値を提供し続けること」ですよね?
この目的のためにはどんな基本方針・運用体制をつくるべきなのか、自社でしっかりとBCP策定を立て、緊急時に備えていきたいですね。

 

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この記事の担当

デジタル・マーケティング部

ニックネーム:サットン
好きなもの:犬、古畑任三郎、音楽
一言:高校時代にガールズバンドを組んでいました。カラオケの十八番は、相川七瀬の夢見る少女じゃいられないです!

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