
ソフトウェア開発の世界では、AIの活用が急速に進んでいます。特に、コーディングを直接支援してくれるAIツールは、開発の生産性を劇的に向上させる可能性を秘めており、多くの開発者が注目しています。
しかし、「どのツールが本当に自社の開発プロセスに合うのか?」を見極めるのは簡単ではありません。そこで今回は、当社開発チームのエンジニア2名が2025年6月から8月にかけて、代表的な2つのツール「GitHub Copilot」と「Cursor」を実際に検証し徹底比較しました!
ぜひこのブログが読んでいるあなたの助けとなれば幸いです。
検証エンジニア

りんちゃん(入社2年目)
Qube スマホアプリ開発(主にFlutterとRuby On Railsを使用)を担当し、
UI/UXの改善や新機能の実装を行っています。

ハニー君(入社2年目)
Qube Webアプリ開発(主にRuby On RailsとPythonを使用)を担当し、
UI/UXの改善や生成AIを使った新機能の実装を行っています。
エントリー紹介:注目のAIアシスタント
まずは、今回比較する2つのツールを簡単にご紹介します。

GitHub Copilot
言わずと知れた、GitHub社が提供するコーディングアシスタントです。
VScodeなどの使い慣れた開発環境(IDE)に”拡張機能”として導入でき、
リアルタイムでコードの補完や提案を行います。

Cursor
Anysphere社が開発した「AIネイティブ」なコード”エディタ”です。
プロジェクト全体のコードを文脈として深く理解し、
より高度なコード生成や編集を得意としています。
徹底比較!6つの評価項目で見る実力(前編)
今回の検証では、「開発コスト削減効果」や「操作性」などを6つの項目で評価を行いました。当社の開発チームの総合評価では、僅差でCursorが上回る結果となりました 。
それでは、各項目の詳細な評価を見ていきましょう。
開発コスト削減効果[検証項目1]
最も重視した「開発コスト削減効果」では、Cursorがやや優勢でした 。
🗨️ 検証エンジニアの対談
ハニー君:
GitHub Copilotでの開発工数はどうでしたか?僕はWeb開発で1機能あたり、見込み40時間が実績24時間に短縮されました。ただ、プロンプトを考えるより自分で書いた方が早い時もあって、正直そこまで劇的に削減されたとは感じなかったですね。
りんちゃん:
私はスマホ開発で見込み28時間が実績12時間になったので、大幅に効率が上がったと感じました。特に初めて使う言語の学習効率が上がったのが大きいです。GitHub Copilotの決まったパターンを繰り返すコードの自動補完や、コメントからコードを生成してくれる機能も、記述速度アップとミス削減に効きましたね。
ハニー君:
たしかに、開発で行き詰まった時にすぐ質問できる相手がいる感覚は、作業効率向上に繋がりましたね。
りんちゃん:
でも、やっぱり工数削減効果はCursorの方が大きかったですね。スマホ開発で、見込み56時間が実績28時間まで半減しました。
ハニー君:
私もWeb開発で16時間が見込みで実績6時間でした。一番の違いは補完機能の精度だと感じます。GitHub Copilotは精度が物足りなくて結局手直しする場面が多かったですが、Cursorは精度が高いから積極的にAIに任せられました。
りんちゃん:
分かります。CursorはGitHub Copilotが1行ずつ提案するところを、メソッド単位でまとめて提案してくれたので、さらにスピードが上がりました。画像を読み込ませてデザインをコード化できたのも衝撃でしたね。
ハニー君:
今回は試せませんでしたが、Figma連携を使えばフロントエンドの作業はさらに効率化できそうですよね。
操作性[検証項目2]
操作性では、こちらもCursorに軍配が上がりました 。ただ、この差は「どちらが絶対的に良い」というより「どちらのスタイルが好みか」という違いも影響しているようです。
🗨️ 検証エンジニアの対談
ハニー君:
操作性でいうと、CursorはVScodeに操作感が似ていたので、エディタ自体にはすぐ慣れましたね 。
りんちゃん:
確かに。ただ、GitHub Copilotの@filesコマンドみたいに、初見のコードをすぐに解説してくれる機能は実用的で分かりやすかったです 。
ハニー君:
それはそうですね。でも、GitHub Copilotで一番気になったのは、AIに参照してほしいファイルを毎回手動で指定する手間でした 。
りんちゃん:
すごく分かります!その点、Cursorの@files機能は複数ファイルを一気に選択できるので快適でした 。画面にショートカットが表示されて覚えやすいのも地味に良かったです 。
ハニー君:
その差は大きいですよね。
りんちゃん:
ただ、Cursorはインラインコマンド([/]や@)がGitHub Copilotより少し複雑で、慣れるまで少し戸惑いましたね 。設定画面が2箇所にあるのも最初だけ分かりにくかったですが 。
ハニー君:
ええ、細かい部分で慣れは必要ですが、日々のコーディングで頻繁に行う「ファイルを参照させる」という操作がスムーズなだけで、総合的な快適さはCursorの方が一枚上手でしたね。
コード提案の正確性[検証項目3]
コード提案の正確性でも、Cursorがリードしました 。どちらのツールも十分に実用的ですが、この評価の差は、AIがどれだけ「プロジェクトの全体像」を理解してくれるか、という点で違いがありました。
🗨️ 検証エンジニアの対談
ハニー君:
精度はやはりCursorに軍配が上がりますね。GitHub Copilotは直前の文脈とか、関数の中だけ見て提案する印象でしたが、Cursorはファイル全体を俯瞰して、ちゃんと意味の通った提案をしてくれる感じがしました 。
りんちゃん:
同感です。GitHub Copilotはエラーが出ても、そのエラー文を伝えればちゃんと修正してくれますが、そもそもCursorの方が提案されたコードのエラーが少なかったですね 。
ハニー君:
GitHub Copilotは存在しないテーブル項目を生成してしまうこともあり、その点は工夫が必要でした。
ここまで、性能の中核をなす3項目を比較してきました。コードの提案精度や操作性ではCursorが優勢でしたが、チームに最適なAI開発支援ツールはこれだけでは決まりません。
【後編】では、チーム開発で重要な「可読性」や「コードレビュー支援」、そして導入の決め手となる「チーム管理とセキュリティ」について、さらに詳しく見ていきます!
▼【後編】のブログはこちら!
この記事を書いた人

【ニックネーム】
りん
【経歴】
入社2年目
自社サービスであるBtoBコミュニケーションプラットフォーム「Qube」というSaaS開発に携わっています。
最近はスマホアプリ開発をメインで行っています。
【一言】
牧場物語『風のグランドバザール』とってもおすすめです!!