グラフの種類や特徴 まとめ


みなさん、こんにちは。入社2年目となりました、イノベーションLABの伊田です。

想像していたエンジニアの仕事とは少し異なりますが、グラフの作成をする機会がありました。
グラフの種類も多く、どのグラフを使うのか悩んだり、どのような時に使うグラフなのか不思議に思ったりすることがあったので、10種類ピックアップし、各特徴を簡単にまとめました。
グラフの作成にはBIツールを使用しました。

1. はじめに

本記事の「3.グラフの種類」で使用しているデータは、政府統計ポータルサイトであるe-Statに掲載されている国勢調査より「令和2年国勢調査」と「時系列データ」を使用しており、そのデータを私の方で適宜編集してグラフにまとめています。
 ※使用データの詳細とリンクは下部【データ】に記載しています。
例えば、e-StatよりダウンロードしたMSExcelの行と列の入れ替えを行ったり、年齢や地域を絞った合計や平均を出すために計算や加工を行ったりしました。
 ※行と列の入替方法は行から列、または列から行にデータを入れ替える (配置の転換) - Microsoft サポートをご参照ください。

2. グラフの役割

そもそもグラフとはなんでしょう?
グラフは、データの特徴や傾向といった結果を視覚的に表すために使われる便利な道具です。上手に活用することで、意図や考えを相手に的確に伝えたり、疑問や問題点の解決、またその対策を考えたりするときに役立ちます。

3. グラフの種類

グラフには多くの種類がありますが、それぞれに得手・不得手の要素をもっています。

例えば、どれが大きいか、何倍に増加したかなど、点と点の比較は左のほうがしやすいです。一方で、増減の傾向は右のほうが掴みやすいです。

また、左は年代ごとの傾向がわかりやすく示され、右は全体と全体に対する構成比の変化を捉えやすくなっています。


得られた結果を有効活用し、目的や読み取りたいことなどから意図した情報を伝えるために適切なものを選択することが重要です。

3-1. 大小を表す

I_棒グラフ
 列:     行:地方   集計:総数(人)   列:     行:世帯構成   集計:総数(人) 
  • 棒の高低でデータの大小を比較する
  • 値の高い項目や低い項目を選定しやすい
II_レーダーチャート
 列:年次(年号) 行:年代  集計:有配偶割合(%) 
  • 複数の項目の結果を表示し、量の大小をはじめ、構成比やそのバランス、特徴などを見ることができる
  • 中心を0とし、値が良いほど外に広がる特性をもつ

3-2. 構成比を表す

III_円グラフ
 列項目:世帯構成 行項目:     集計項目:総数(人) 
  • 円全体を100%とする
  • 各項目が占める割合を扇形の面積で表す
IV_積み上げグラフ(帯グラフ)
 列:年齢層  行:年次(西暦) 集計:総数(人) 
  • 各項目の構成比を長方形の面積で表す
  • また、並べることで項目の構成比の変化を見ることができる

3-3. 変化を表す

V_折れ線グラフ
 列:男女   行:年次(年号) 集計:総数(人)   列:年齢層  行:年次(西暦) 集計:総数(人) 
  • 主に時系列などの連続的変化を捉えることができる
  • データの増減や傾向、変化のようすを掴みやすい
VI_複合グラフ
 列:      行:年次(西暦) 集計:総数(人) 未婚割合(%) 有配偶割合(%) 
  • 単位や種類が違う量的データを1つのグラフで表すことで、2つのデータの相互関係を見ることができる

3-4. 散らばりを表す

VII_柱状グラフ(ヒストグラム)
 列:      行:年代   集計:総数(人) 
  • 量的データ全体の散らばりや分布のようすを見ることに適している
  • 決めた範囲で全体を分けた階級のデータ量を面積で示す
  • 隣り合わせの階級をまとめることが可能で、その場合は幅が異なるため注意が必要である
VIII_統計地図
 列:      行:地域   集計:総数(人) 
  • 地域ごとのデータを比較するときに適している
  • 使い方は様々あり、データ量によって地域を色分けして表したり、各地域の上に棒グラフや円グラフなどを重ねて表示したりすることができる

3-5. 相関を表す

IX_散布図
 列:      行:年次(西暦) 集計:未婚割合(%) 完全失業者(人) 
  • 組になった2種類の数値をそれぞれ横と縦の軸に対応させて、2つの量の間に関係があるかどうかを見ることができる
  • 一方が増加した時に、もう一方が増加/減少する傾向(直線的な傾向)がある場合、相関があると考える
  • ただし、関係の有無がわかるだけで、因果関係を示すものではない
X_バブルチャート
 列:     行:年次(西暦) 集計:女-総数(人) 有配偶割合(%) 労働力率(%) 
  • 散布図を構成する2種類のデータに加えて、それに関係するもう1種類の量的データを円の大きさで表すことができる

4. 表現方法による印象の違い

グラフは、データの特徴や傾向を理解したり伝えたりするのに有効な手段ですが、グラフの縦横の比率、軸の設定、デザインなどによっては、意図しない影響を与える可能性があります。

以下、2組のグラフはそれぞれ同じデータを使って表現方法を変えたものです。


縦横の比率

左はおよそ縦と横が「1.5:1」の縦長のグラフ、右はおよそ「1:2」の横長のグラフになるように設定しました。この違いから左は急激な増加、右は比較的緩やかな増加という異なる印象を与えています。


軸の設定

左は縦軸の割合、総数ともに「0」を基点にしています。右は割合を「15」、総数は「7,500,000」を基点に変更しました。右は左と比べて、それぞれの要素の差が広く、基点に近いポイントはより低い印象を与えます。

このように、表現方法次第で与える印象に相違が生まれてしまうことを、今回様々なグラフに触れることで学ぶことができました。

5. おわりに

示す数値や目的・意図だけでなく、グラフを見る人の文化や経験によっても適した表現方法は変わってくると思いますので、よく考えてグラフを作成することが大事です。
意図した印象を与え、情報を正確に共有できることができれば、視覚的な表現のツールとしては十分でしょう。
色彩などのデザイン部分は完全に私個人の好みなので、今後は感覚ではなく、意味や理由を持って決定できるようになれれば良いと思いました。
長々と書き連ねましたが、ご覧いただきありがとうございました。


【ツール紹介】
今回グラフの作成には、ウイングアーク1st株式会社が提供する“MotionBoard Cloud(Ver.6.4)”というBIツールを使用しました。
難しい関数などは不要、マウス操作ひとつで30種類以上のチャートを作成できます。
グラフや集計表の作成はもちろん、明細表を配置したダッシュボードも簡単に作成できる優れものです。


株式会社シー・エス・エスはデータ分析ソリューションを複数提供しているウイングアーク1st株式会社のパートナー企業( WARP )です。弊社では可視化ツールとして「MotionBoard」を取り扱っております。

6. 参考

【サイト】
まなぼう統計 / 統計を知ろう・学ぼう
なるほど統計学園TOP
- 4 グラフの作り方(初級編)
- 9 グラフの作り方(上級)


【データ】

7. この記事を書いた人


ニックネーム:いだちゃん
頑張ってる言語:JavaScript, Python
資格:メンタルヘルス・マネジメントⅢ
趣味:読書

好きな食べ物:クッキー(甘いものが好きです!)
一言:写真は卒業式のとき。ヘアアレンジは自分でやりました(^^)