ローコード開発とは?メリット・デメリットとOutSystemsのご紹介

ローコードのメリットデメリットとOutSystemsに関する記事の表紙画像みなさん、初めまして。株式会社シー・エス・エスのqwertyです。
突然ですが、ローコード開発という手法をご存知でしょうか。
ローコード開発とは、最小限のソースコードでアプリケーションを開発する手法のことです。近年では、このローコード開発という手法が注目されつつあります。
今回は、ローコード開発の概要と、私が現在扱っているOutSystemsというローコード開発用ツールについてご紹介させていただきます。

1. ローコード開発

1-1.ローコード開発とは

ローコード開発とは、ローコードツールを使用して極力ソースコードを書かずに、用意された部品をドラッグ&ドロップで組み合わせるなど、視覚的な操作により開発を行う手法のことです。
開発のイメージとしては、画面レイアウトはテンプレートや部品を組み合わせ、処理ロジックは部品を配置してフローチャート形式でつなげていき、足りない部品は自ら作成して開発を行っていく形になります。


出典:「ローコード開発」とは?今なぜ注目されているのか詳しく解説!

1-2.ローコード開発が注目される背景

近年、ローコード開発は拡大しており、2025年度には市場規模が1,000億円を超えるとの予測もあります。その背景として挙げられるのが、ITを取り巻く環境の変化にあります。
まず、1つの要因としてはDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進です。
昨今、IoTやAIの進化やグローバル化によってビジネス環境の変化がより激しくなっています。それぞれの企業がDX化によりデジタルを活用することで、新しい価値を創造し、市場における競争力をつけてビジネス環境の変化に対応しなくてはなりません。こうした取り組みを迅速に行うには、従来の開発方法では限界があります。ビジネス環境の変化を汲み取り、それぞれの業務に適した使いやすいアプリケーション開発を迅速かつ柔軟に行うには、このローコード開発が必要だと期待されているわけです。

もう1つの要因としては、IT人材の不足です。
DXが推進される一方で、少子高齢化により労働人口は減少しており、IT人材の確保は非常に重要な課題だとされています。専門的なIT業務を担える技術者の確保は容易でなく、技術者の育成には時間もコストも要します。そこで、高度なプログラミングスキルが不要なローコード開発が注目されています。ローコード開発を導入することで、ある程度の技術的知識を要していれば、特別なプログラミングスキルを持たない人材でもアプリケーションの開発を担うことができるのです。

1-3.ローコード開発のメリット・デメリット

ローコード開発のメリット・デメリットとしては主に以下が挙げられます。

【メリット】

  • 迅速かつ柔軟な開発

コーディングでの開発と異なり、基本的に用意されている部品を組み合わせて開発を行うため、迅速な開発が行えます。また、コーディングを全くしないわけではないため、コードによるカスタマイズや拡張機能の導入などで柔軟に開発を行うことができます。

  • 高い専門性が不要

専門的なプログラミングスキルが不要なため、技術者の確保や育成がスムーズに進みやすくなります。また、コード記述による複雑なカスタマイズは少ないため、システムのブラックボックス化やコードの記述ミスを防ぎやすくなります。ツールによっては、自動で不具合を検知する等の仕組みもあるため、バグへの対応も簡単に素早く行うことができます。

  • コスト削減

高い専門性が不要で迅速な開発が可能であるということは、開発期間の短縮や作業工程の省略につながります。ひとつの開発に対する技術者を別の開発に割り振ったり、開発サイクルを短くしたりすることでコスト削減を実現することが可能になります。

【デメリット】

  • 開発の自由度が低い

従来の開発と比較すると、限られた範囲で開発を行うことになるため、複雑なシステムや特殊なシステムを開発する場合はコード記述による開発が適している場合があります。

  • 多少のプログラミング知識は必要

高度なプログラミングスキルは必要としないものの、微調整や多少複雑なシステムの構築を行う場合は、ある程度のプログラミング知識が必要になってきます。そのため、まったく知識がない状態での開発は厳しいこともあります。

  • パフォーマンスの問題

プラットフォームが提供する部品を組み合わせて開発していくため、ツールによっては処理速度の遅さが顕著になる場合があります。膨大なデータや複雑な処理ロジックを要するシステム開発では、パフォーマンスの低下が問題になる可能性があります。

2.OutSystems

2-1.OutSystemsとは

OutSystemsは、OutSystems社がリリースしたローコードプラットフォームです。
1つのプラットフォームでいくつものアプリケーションを統合して、設計から運用までシステムライフサイクルを効率的に管理することが可能です。

2-2.画面基本操作

OutSystemsでは、リアルタイムに反映される実画面を見ながらアプリケーションの開発を行うことができます。
以下画像はOutSystemsの開発画面になります。画面中央には構築するアプリケーションの画面が表示されています。左側のツールバーには、画面を構築するための部品があり、ドラッグ&ドロップで配置できます。右側のツールバーでは、画面や処理、データベースなどを定義することができます。
また、画面上部にある緑色のPublishボタンをクリックするだけでアプリケーションを更新し、公開することができます。
ただし、緑色のPublishボタンが赤いErrorsFoundボタンになっている際は、OutSystemsが自動で検知している不具合を修正するまで更新・公開することができません。

以下画像はロジックの作成画面になります。
OutSystemsではロジックを定義するアクション内で、フローチャートを描くように処理を作り上げていきます。Start(開始)は1つのみ設定できますが、End(終了)は処理の末端として複数設定できます。
また、End(終了)以外に作成したファイルのDownload、他の画面に遷移するDestinationなども処理の末端として複数設定できます。

2-3.開発サンプル

以下画像は、OutSystemsを用いて約1時間程度で作成した簡易的なダッシュボードになります。OutSystemsでは、OutSystemsが管理する内部DBが存在したり、グラフが部品として用意されていたりするため、データから画面の作成まで短時間で構築できます。

OutSystemsを体験したい方は、以下のOutSystems公式ホームページから無償トライアルを始めることをお勧めします。
www.outsystems.com


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この記事を書いた人


【ニックネーム】
qwerty
【経歴】
入社2年目。
ローコード開発用ツールのOutSystemsを用いて、証券系のアプリケーション開発業務に携わっています。
【一言】
qwertyをパスワードにするのはやめておきましょう。