MotionBoardでモデルを作成してみよう!


こんにちは。イノベーションLABのS.Yです。
今回はMotionBoardのモデルの概要や作成方法についてまとめました。

MotionBoardとは

ウィングアーク1stが提供するBIツールです。
BIツールとは企業が蓄積しているデータを集計し、可視化するためのツールです。

MotionBoardではグラフや集計表を1画面でまとめてダッシュボードとして表示することができます。ノンプログラミングでダッシュボードを作成できるため、直感的な操作で扱うことができ簡単にデータの可視化をすることができます。設備の稼働状況の可視化や案件管理などに使われます。

モデルとは

異なるデータソースのデータを結合することで新しいデータソースを作ることができる機能です。

データソースとはボードやアイテムで使うデータのことです。チャートアイテムや明細表などのアイテムにデータを同のように表示するかを定義するデータソース定義を設定して使用します。
モデルではチャートなどを作成する前の段階でデータを結合してデータソースに格納することができます。作成したデータソースをデータストレージに格納するときは以下の図のようなタイミングで結合します。

JOINによるデータ結合のタイミング(モデル)

また、カラム名で結合する「JOIN」やカラムの数や型で結合する「UNION」、列を行に変換する「UNPIVOT」が使えます。
結合タイミングは「JOIN」、「UNION」ともに同じです。
結合方法はモデルの他にもMotionBoard Viewとマスター項目、結合データソースがあります。

前提条件

MotionBoard Cloudであることが前提で説明を行います。
MotionBoardのオンプレミス版とクラウド版で少し違うので注意が必要です。
クラウド版のデータ格納先は、DataStorageのみです。オンプレミス版ではDataStorageがなく、ファイルコネクターやDr.SUMと接続する必要があります。
オンプレミス版・クラウド版の機能差異

また、モデルは、Professional EditionまたはIoT Editionの利用時のみ使用できます。
さらにモデルに関連する設定が可能なユーザーは、「モデル管理」の権限を持つユーザーである必要があります。

モデル作成方法

1.サンプルデータ

今回は受注テーブルに顧客マスタと商品マスタをJOINで結合します。
受注テーブル

顧客マスタ

商品マスタ

2.モデル管理画面を開く

[管理]から[ボード編集]をクリックし、ボード編集画面にします。

[管理]から[格納データ管理]を選択し、[モデル管理]を選択します。

[モデル新規作成]を選択し、モデル名を入力します。今回は「demo_モデル」と入力します。

3.ファクトテーブルとディメンションテーブルを指定する

モデルエディタが表示されます。
左上の表のアイコンがファクトテーブルとディメンションテーブルになっています。
ファクトテーブルは集計の対象となるテーブルのことです。1つ設定する必要があります。
ディメンションテーブルはマスター情報のテーブルです。グルーピングしたい項目が含まれます。1つ以上設定できます。
ファクトテーブルに受注テーブル、ディメンションテーブルに顧客マスタと商品マスタを選択します。

まずはファクトテーブルを作成します。左上のアイコンをクリックします。

データソース選択画面が表示されます。[新規作成]を選択し、データソースの名前を入力します。今回は「DS_受注テーブル」と入力し[OK]をクリックします。

データソース接続先に事前に取り込んでおいたExcelファイルを選択します。[excel]を選択し、[受注テーブル.xlsx]を選択します。読込設定などは変更せずに[OK]をクリックします。

データソースエディタが表示されます。そのまま[OK]をクリックします。

データ選択画面にDS_受注テーブルが追加されます。
[DS_受注テーブル]を選択し[OK]をクリックします。

モデルエディタに先ほど作成したDS_受注テーブルが追加されます。
続いてディメンションテーブルも作成します。今回は「DS_顧客マスタ」と「DS_商品マスタ」を作成します。
ファクトテーブルの右隣にある表のアイコンをクリックし作成します。
作成方法はファクトテーブルと同じなので割愛します。

4.結合する

次にテーブルの結合をします。
ファクトテーブルを軸とした、一対一または一対多のリレーションを作成できます。
ファクトテーブルの項目名にマウスカーソルを合わせます。
矢印のマークからリレーション先にしたいディメンションテーブルの項目までドラッグ&ドロップします。

商品IDと顧客IDを結合します。リレーションを表す線が表示されていることを確認します。

リレーションの結合タイプには内部結合と左辺外部結合の2種類があります。デフォルトでは内部結合です。
また、リレーションは10個まで作成できます。
今回は左辺外部結合で結合します。
青い線をクリックし、鉛筆のアイコンをクリックするとリレーション設定が開きます。
結合タイプから[左辺外部結合]を選択します。

左辺外部結合にした場合、リレーションを表す線が矢印になります。

使用する項目を指定します。
右側のチェックボックスをクリックします。
今回は重複している項目以外をチェックしました。

再生マークをクリックし、プレビューを開き正しく結合がされているか確認します。
確認ができたらモデルプレビューと閉じて[OK]をクリックします。

モデル詳細設定が表示されます。
データの格納方法の設定と格納するデータのタイミングや頻度の設定ができます。
実行ユーザーの[検索]をクリックしユーザを選択します。
今回はデータの更新を行わないので繰り返しタイプは[実装しない]を選択します。

[OK]をクリックします。

リロードしてデータを取り込みます。

5.動作確認

動作確認として明細表を作成してみます。
まずはデータソースを作成します。
[管理]から[ボード管理]を選択し、ボード管理画面を開きます。[データ管理]から[新規作成]を選択しデータソースを作成します。
今回は「DS_モデル」入力し、[OK]をクリックします。

MotionBoardCloudだと[DataStorage]の中に作成したモデルがあります。
接続先から[DataStorage]を選択ます。

[UTB_demo_モデル]を選択し、[OK]をクリックします。

そのまま[OK]をクリックします。

明細表のアイコンをクリックし明細表を作成します。

明細表新規作成が表示されます。明細表名は「明細表_モデル」、データソースは先ほど作成した[DS_モデル]を選択します。
[OK]をクリックします。

明細表が作成できました。

まとめ

以上がモデルの作成方法になります。
JOINを紹介しましたがUNIONもできるのでぜひ試してみてください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。お役に立てれば幸いです。