DXへの取り組みの加速により、企業は保有しているデータを分析・活用する必要性が高まってきました。「データドリブン経営」という言葉が一般的になってきたように、ビジネスでより良い判断をするために保有しているデータを活用することは最優先事項となっています。
前回はなぜ今データ分析を行うべきなのか、目的とメリットをご紹介いたしました。
※前回の記事はこちら
今回は、そのデータ分析における現状と課題点について詳しくご説明いたします。ぜひご自身の会社に当てはめてお考え下さい。
1.データ活用の現状
現在、社内データ活用の際には次のような悩みが考えられます。
1-1. データが散在しており、現状を把握出来ていない
データの共有がなされずにデータが集約されていなかったり、分析に適した形に精緻されていないと顧客や自社の特徴が見つけられません。
1-2. データを見てもビジネスの発想が出てこない
ユーザ像や購買行動プロセスを「見える化」していないために、ビジネスを展開していく方針を立てられません。
1-3. 顧客や成果のデータを可視化したい
次の様なデータの特徴を調査し、顧客の特徴や傾向を理解する必要があります。
・売上データの量的分布
・顧客のボリュームゾーンや利用パターン
1-4. 施策に有効なデータを選定できない
色んな尺度で分析しても結果のレポートを整理しきれないと、重点的に取り組むターゲットを策定できません。
2. 効果的にデータを活用するために
では、データを活用するためには具体的に何を行えばよいのでしょうか?
「1.データ活用の現状」にてお伝えした課題に照らし合わせながらご説明します。
データ活用時の課題解決は大きく分けて、整理・検討・分析・提案の4つのフェーズを一連の流れとして行います。
2-1.整理フェーズ ―アイデアや要求の引き出しー
整理フェーズで行うべき手法は下記2点です。
・ データを利用しやすい形に加工・蓄積
・ データを整理し、顧客や自社の特徴を理解する
顧客や自社の特徴を理解することを目的として、ブレーンストーミングを行います。ワークショップやユーザアンケートを通して社内の意見を集め、相互の意見を共有することで新たなアイデアを得ることができたり、顧客のブランドに対するイメージを把握することができるようになります。
2-2. 検討フェーズ ―ターゲットの可視化―
検討フェーズでは、整理したデータを元に、仮説を検討します。それにより、顧客や施策のアイデアを作成します。
顧客データやワークショップで上がったいくつかのアイデアを軸に、ユーザ像や購買行動プロセスを「見える化」する事でビジネスの仮説を立てます。ペルソナを作成することで顧客を可視化、カスタマージャーニーを作成することで顧客課題の発見ができるようになります。
2-3.分析フェーズ ―データの理解―
分析フェーズでは、顧客や成果のデータを元に、データの量的分布やボリュームゾーンを把握します。
サービスやコンテンツの利用状況や購買実績のデータの分析を行うことでターゲットの特徴や傾向を「見える化」します。購買状況の量的分布や顧客のボリュームゾーン、利用パターンを通してターゲットの特徴や傾向を把握することで、将来の需要を予測できるようになることが期待されます。
2-4. 提案フェーズ ―提案―
提案フェーズでは、分析フェーズの結果を基に、重点的に取り組むべきターゲットを提案します。
整理・検討・分析を通して行った分析メニューで可視化したターゲットの仮説や施策の方向性を軸に、重点的に取り組むべき訴求内容やターゲット(見込み客)を提案していきます。
3.施策の実施
「2.効果的にデータを活用するために」にてお伝えした整理・検討・分析・提案フェーズでターゲットを策定したあとは、お客様先で実際に施策を行っていただきます。
3-1.PoCを行う
PoCとは「Proof of Concept」の略語であり、「実証実験」を意味します。机上で考えた施策を、実際に行動を通して施策を検証していきます。
新たなアイデアや企画に対し、それが実現可能か、目的とする効果や効能は得られるのか、市場に受け入れられそうかなどを、本格的にプロジェクトを開始する前に検証するために行います。
ターゲットとなる顧客層に実際に施策を実施し、そのフィードバックをもらうことで、技術面や使用上の問題点を明らかにしつつ、その後の販売戦略の立案などに活かすことができます。
3-2.効果検証を行う
整理フェーズから提案フェーズを通して提案した施策の結果を検証します。
反応率・ROI・コンバージョン率、売上・客単価を参照し仮説への回帰を行います。結果に結びついた要因や継続して実施するべきアクションプランを検討し、今後の利用へとつなげていきます。
3-3.PDCAサイクルを遂行する
PDCAサイクルに当てはめて整理・検討・分析・提案フェーズを繰り返し行うことで、分析~効果検証の手順を定着させます。
施策を改善していくには、適切な指標で分析をすることが重要です。データ分析のPDCAを繰り返し自社のマーケティング活動の目標を具体化することで、その成果や効果を正しく判断できることに限らず、目標達成に至らない場合であってもその理由や課題を浮き彫りにでき、次の改善策へと繋げていくことができます。
4.おわりに
データを適切に活用することで、業務効率化だけでなく課題発見や新たな施策の策定につなげることも可能です。今後IT化やDXが推進することによって、データ活用はさらに発展していくことが見込まれます。
自社に蓄積されているデータを、積極的に取り入れて有効活用していくことで、新しいビジネスの可能性が見出すことが出来るようになるでしょう。
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