1.はじめに
今回は「休日の会社への問い合わせを、担当者が出社しなくても対応することはできないか?」という課題を解決するため、Amazon Connectを使用して検証を行いました。
Amazon Connectとは、クラウド上で簡単にコールセンターを構築することができるサービスのことです。S3やLambda等のサービスと連携できるため、会話履歴の管理や柔軟な問い合わせフローに対応した構築ができます。
本ブログでは、Amazon Connectを使用した検証内容とその設定について簡単に解説したいと思います。
AmazonConnectについての詳しい記事はこちら👇
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2.検証
今回は、Amazon ConnectとLambda、S3を使用し、Amazon Connectで取得した電話番号に電話を掛け、電話をスマートフォンに転送できるか検証を行いました。そうすることで、顧客からの問い合わせに対して、自宅などいつでもどこでも問い合わせ対応ができる環境を構築しました。
2-1.環境構成例
環境構成は以下の通りです。
LambdaでS3に保存したCSV形式のシフト表を読み込み、担当日に応じた電話番号に問い合わせを転送します。
S3に配置したCSVファイルのカラムは、日付と担当者に紐づく電話番号を入力します。
Lambda関数が実行されると、S3に保存されているCSVファイルが読み込まれ、取得した電話番号のデータをAmazon Connectに返します。
2-2.Lambdaの設定
Lambda関数の作成では、Python3.6を使用しました。
戻り値はJSON形式でAmazon Connectに返ります。
2-3.Amazon Connectの設定
Amazon Connectで行った主な設定は以下の3項目です。
①Amazon Connectインスタンス作成
②電話番号の取得
③問い合わせフローの設定
①Amazon Connectインスタンスは、Amazon Connectコンソール上の「インスタンスを追加する」から作成できます。
アクセスURLなどの各種設定を行い、インスタンスの作成が完了すると以下の画面が表示されます。言語は日本語に設定します。
②電話番号の取得を行います。Amazon Connectダッシュボードの「電話番号を取得する」を選択します。
電話番号はAmazonが提供する直通ダイヤルの050番号と料金無料通話の0800番号が取得可能です。東京リージョンでは03番号、0120番号も使用可能です。
また、電話番号はAmazon Connectインスタンス1つにつき10個まで取得可能です。
③問い合わせフローの設定はAmazon Connectダッシュボードの「問い合わせフローの作成」から行います。
今回の検証で設定した問い合わせフローは以下の通りです。
問い合わせフローはブロックをブラウザ上でドラッグ&ドロップすることで簡単に作成できます。
「AWS Lambda関数を呼び出す」をフローに組み込むことでLambda関数を呼び出すことができます。下の図のようにLambda関数のARNを設定します。
Lambda関数の戻り値から受け取った値は「問い合わせ属性を確認する」ブロックで条件判定されます。「確認する属性」と「チェックする条件」項目を入力します。
属性はLambdaで設定した「JSONのキー」を入力します。
以上で一通りの設定は完了です!
さっそくAmazon Connectで取得した電話番号に電話をかけてみると、設定したフロー通り、スマートフォンにつなげることができました!
今回の検証では必要最低限の設定のみ行いましたが、この他にも対応時間の設定や音声プロンプトの設定などを簡単に追加することができるようです。
3.おわりに
今回の検証では、Amazon Connectで会社への問い合わせ電話をスマートフォンに転送するフローの構築が簡単にできることが分かりました。その他にもAmazon Connectの設定のみで、音声録音やIVRシステムの構築ができるようです。
現在はAmazon Connectで取得した電話番号しか使用できず、既存のコールセンターの番号を使用することができません。実際のコールセンターでも既存の番号が使用できるようになれば、Amazon Connectを導入する企業も増えるかもしれません。
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